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【M&A潮流】米Eトレード株主、身売りでも株式損失回収できず

米オンライン証券会社Eトレード・ ファイナンシャルの株主は、筆頭株主である米ヘッジファンドのシタ デルが勧める身売りに成功したとしても、損失分の2割しか取り戻す ことができない可能性がある。

シタデルは先週、Eトレードに身売りを模索するよう呼び掛けた。 サンドラー・オニール・アンド・パートナーによれば、1株当たりの 売却額は21ドルとなる可能性がある。これは身売りを促すシタデルか らの20日の書簡前のEトレード株価に62%上乗せした水準となる。

シタデルは2007年11月、Eトレードの破綻回避に向け資金を投 入。ブルームバーグのデータによれば、身売りが成功してもEトレー ドの株主にとってこれ以後の損失の20%を取り戻すにすぎない。

事情に詳しい関係者によると、シタデルはEトレードへの投資で 利益を上げる一方、Eトレードは米国株の指標、S&P500種株価指 数を大幅に下回る水準で推移している。顧客の住宅ローンデフォルト (債務不履行)が響き、純損失が35億ドル(約2700億円)に膨らん だ。

レーモンド・ジェームズ・ファイナンシャルは、TDアメリトレ ード・ホールディングやチャールズ・シュワブがEトレードの潜在的 な買い手候補だが、住宅ローン債権のポートフォリオとシタデルが身 売りを求めてから株価が21%上昇したため、買収意欲がそがれる恐れ があると指摘した。

バール・アンド・ゲーナーのポートフォリオマネジャー、マット・ マコーミック氏は22日の電話インタビューで、「投資家は必ずしも損 失を取り戻そうとは考えていないかもしれない。この時点で何らか手 を打ちたいと望んでいるだけだろう」と述べながらも、「住宅ローン債 権資産を買い入れようとする者は誰であれ、よほど強い意志の持ち主 だろう」と続けた。

検証

シタデルは書簡で、Eトレードのスティーブン・フライバーグ最 高経営責任者(CEO)に戦略的な代替策を検証するために銀行を起 用するよう求め、「甚大な損失」を被った株主価値を最大化するための 行動を直ちに起こすよう要請した。

Eトレードは22日、これに対応し、社外取締役からなる特別委員 会を設立した。同委員会は戦略検証でモルガン・スタンレーの起用を 推薦した。同社はまた、JPモルガン・チェースが昨年10-12月(第 4四半期に「徹底的な検証」を実施し、取締役会はその当時において 事業計画遂行が身売りより好ましい代替策だと判断したことを説明し た。

Eトレードの広報担当、スーザン・ヒッキー氏は、会社発表以外 のコメントはないと述べた。同社の株価は25日、前週末比5.6%高の

16.52ドルで引け、終値では4月25日以来の高値となった。

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