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ドル下落、米債務問題の行き詰まり感重し-一時4カ月ぶり77円台

東京外国為替市場では、ドル・円 相場が1ドル=78円ちょうど付近と、3月17日以来、約4カ月ぶり のドル安値圏で推移。米国の連邦債務上限引き上げ問題をめぐる民主・ 共和両党の交渉に行き詰まり感が強まっており、ドル売り圧力が掛かっ た。

ドル・円相場は、午前10時過ぎにオバマ大統領の演説内容が伝わ ると、両党対立の構図に変化はないとの見方が広がり、一時77円90 銭までドル安が進行。その後は77円台で円売り介入への警戒感が強ま り、ストップロス(損失を限定するためのドル買い・円売り)を巻き込 んで78円70銭まで急速に値を戻す場面も見られたが、再び78円台前 半に下押されている。午後3時8分現在は78円06銭付近で取引され ている。

みずほ信託銀行運用企画部の田中正秀シニアストラテジストは、フ ァンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)よりは「政治的な問題」を反 映した相場展開になっているとした上で、当局者の発言内容に左右され る不安定な状況だと説明。その上で、市場は政策の方向性に反応するた め、「よりどころが弱く、落ち着きどころが見えにくくなっている」と している。

オバマ大統領は米ワシントン時間25日午後9時(日本時間26日 午前10時)に債務上限引き上げ交渉の状況を説明するため、ホワイト ハウスで国民向けに演説。「現在のように債務が増加し続ければ、雇用 が失われ、経済に深刻な損害を与えかねない」と語り、「均衡の取れた 」アプローチで合意に達するよう議員らに呼び掛けた。さらに現在の手 詰まり状態は、増税なしの予算削減を主張する下院共和党の一部議員に あると批判した。

ドルは対ユーロでも売り進まれ、午後の取引で一時1ユーロ=

1.4510ドルと、今月5日以来の安値を更新した。

民主・共和党の対立浮き彫り

大統領演説を受けて、共和党のベイナー下院議長は、債務上限引き 上げ問題の解決に向けて大統領と「真剣な努力」を続けてきたと述べた 上で、大統領が同問題で「危機感」を煽ったと指摘。また、「大統領は 6カ月前に白紙小切手を求め、今日も白紙小切手を望んでいる。こうし たことにはならない」と訴えた。

市場では8月2日までに債務上限の引き上げで両党の合意が引き出 せない場合は、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が警戒されてお り、信用格付けの引き下げなどの弊害も生じかねないとみられているが 、期限を間近に控えてもなお対立の構造が浮き彫りになる状況となって いる。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、債務上限の引き上 げをめぐる民主党と共和党の交渉が「予想以上にこじれている」といっ た状況下で、オバマ大統領が演説するということで、市場には前進を示 す内容への期待感があったと指摘。しかし、演説内容には特に両党の妥 協点はうかがえず、「米国のデフォルトが現実のものとして意識される ようになった」として、ドル売りにつながったと説明している。

一方、円高圧力が強まる中、野田佳彦財務相は財務省内で記者団に 対し、「激しい動きだ。これからの動きをしっかりみていきたい」と述 べている。

また、海江田万里経済産業相も午前の閣議後会見で、円高傾向が続 いていることについて、深い憂慮を持って見守っていると述べた。その うえで、状況が克服されるよう政府としても努力すべきだと強調。協調 介入については、財務相が日銀と相談して適切に判断されると語った。

もっとも、午前中の円急落局面について、複数の市場関係者による と、政府・日本銀行による為替介入の痕跡は見当たらなかったという。 クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、「ま とまったドル買いが入った後、ストップを付けに行くような動きになっ たようだ」との見方を示した。

--取材協力:近藤雅岐 Editor:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 三浦和美 Kazumi Miura

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