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債券反落、債務引き上げ交渉難航で米債安-長期金利は1.095%に上昇

債券相場は反落。米国の債務上限 引き上げをめぐる交渉難航を受けた米国債相場の下落などを手掛かり に売りが優勢となった。一方、円が対ドルで一時は4カ月ぶり高値を 更新すると、債券先物が上昇に転じる場面があった。

しんきんアセットマネジメント投信・投資調査グループの鈴木和 仁ストラテジストは、米国の連邦債務上限引き上げの問題がどう着地 するか見極めるまで、国内債は方向感なくもみ合うと言い、「1.1%前 後で推移する10年債も居心地の良い水準だ」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月の9月物は前日比2銭安の141円53銭で 始まり、しばらく小幅マイナス圏での推移となった。その後、為替市 場で円買いが優勢となると一時は141円60銭まで上昇したが、午後に は売りが膨らんでこの日の安値141円47銭を付けた。取引終盤にかけ ては下げ渋って、結局は横ばいの141円55銭で終了した。

前日の米国債相場が軟調だったほか日経平均株価が反発して始ま ったことが、朝方の国内債市場で売り材料視されたが、その後は為替 や株価動向をにらんでもみ合いが続いた。三菱UFJモルガン・スタ ンレー証券の稲留克俊債券ストラテジストは、米債務上限引き上げ法 案をめぐる交渉が、米国債はじめ各マーケットにどれだけ影響するか 見極めながら、国内債もしばらく一進一退が続くとの見方を示した。

この日の東京外国為替市場では円買いが先行して、一時は1ドル =77円90銭と円が3月17日以来の高値を更新した。これを受けて日 経平均がマイナス圏に転落すると、債券先物は上昇したが、円高の勢 いが鈍ると午後は小安い推移が続いた。

SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジストは、米 国の債務引き上げ交渉をめぐる米国の株安・債券安や為替市場におけ る円高など、国内債相場を取り巻く材料がミックスしていると言い、 「短期的には米国の材料をにらんで方向感の乏しい展開」だと話した。

米オバマ大統領の演説

オバマ米大統領の演説を受けて、米債務引き上げに関する与野党 の交渉が進展しないとの思惑が広がったことが、為替市場におけるド ル売り・円買いを強めるきっかけとなったもよう。

オバマ米大統領はワシントン時間25日午後9時(日本時間26日 午前10時)から国民向けの演説を行い、米国の増大する債務が経済に 「深刻な」損害を与える恐れがあると警告するとともに、議会は将来 の財政赤字削減への取り組みで妥協する必要があると述べた。

前日の米国市場では債務上限引き上げ問題をめぐる与野党協議の 難航を受けて、米国債デフォルト(債務不履行)への警戒感が広がっ た。25日の米株市場ではダウ工業株30種平均など主要な株価指数が 続落し、米債市場では米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp)高 い3.00%付近で引けた。

米国では中期ゾーンの入札も

米国では26日から3日間の日程で実施される2年、5年、7年債 の入札も注目を集める。1カ月前に行われた中期ゾーンの国債入札は 不振が続き、これを受けて米10年債利回りが2.8%台半ばから一時は

3.22%まで急騰したことを警戒する見方がくすぶるためだ。

SMBC日興証の野地氏は、中期ゾーンの入札は四半期末のタイ ミングで需要が細った前回ほど悪い入札にはならないとみるが、「利回 り曲線上で中期債は相対的に割高感があるだけに、一応は入札での波 乱も考えておくべきだ」と話した。

6月後半に行われた2-7年債の入札はいずれも低調な結果とな った。連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和第2弾(QE2) の国債購入プログラム(総額6000億ドル)の買い取り終了を6月末に 控えて、国債入札での需要減退を警戒する見方が広がった。

10年債利回りは1.095%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回り は前日比0.5bp高の1.09%で始まり、午前の取引終盤にかけては

1.085%に戻した。午後に入って売りが先行すると1bp高の1.095%ま で上昇した。

315回債利回りは19日午後には1.06%まで買い進まれ、新発10 年債として8カ月ぶりの低い水準を記録したが、欧州債務問題に対す る懸念が緩和するとその後は1.1%を中心にもみ合いとなっている。

米国の株安やドル安・円高が買い材料視される半面、米国債下落 やこれに伴う国内債売りへの懸念がくすぶり、長期金利は方向感の定 まらない展開が続くとみられている。みずほインベスターズ証券の井 上明彦チーフストラテジストは、「月内最終受渡日のきょうの国内債市 場は、引き続き手掛かり材料が乏しい中でのもみ合い継続」と予想し ていた。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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