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日本株反落、欧米債務と円高懸念し輸出や金融売り-中国株安警戒も

東京株式相場は反落。欧米の債務 問題や為替の円高警戒感から、輸送用機器や精密機器、機械など輸出 関連株が下げ、証券や銀行など金融株も安い。高速鉄道事故の影響な どから、中国の上海総合株価指数が急落したことも心理的な重しとな り、特に午後の取引で株価指数は水準を切り下げた。

TOPIXの終値は前週末比6.90ポイント(0.8%)安の861.91、 日経平均株価は同82円10銭(0.8%)安の1万50円1銭。東証1部 の売買高は、約2カ月ぶりの低水準。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 米国での連邦債務上限引き上げ問題が8月2日の期限までに調整がつ かず、「数日ずれ込むかもしれない」と指摘。決着が遅れた場合、「マ ーケットが波乱に陥る可能性もあることを、投資家は警戒している」 と話していた。

米国では債務上限の引き上げをめぐり、オバマ大統領が提案する 計画に対し、共和党が短期の上限引き上げに向けた措置を強行する姿 勢を見せている。大統領側は、引き上げが2013年にかけても適用され るものでない限り、その措置に拒否権を発動する構え。

一方、格付け会社フィッチ・レーティングスは22日、ユーロ圏首 脳らが21日に合意した1590億ユーロ(約18兆円)規模の新救済策が 実行に移された場合、ギリシャを「制限的デフォルト(RD)」と見な すと発表した。新救済案に、債券保有者によるコスト分担が盛り込ま れていることが背景。また、ムーディーズ・インベスターズ・サービ スは25日、ギリシャの格付けを「Ca」と、従来の「Caa1」から 引き下げた。

ドル・円78円台で推移

欧米債務問題の不透明感から、外国為替市場では円が買われやす くなっており、東京時間25日は1ドル=78円台前半、1ユーロ=112 円台後半で推移する時間が長く、先週末の東京株式市場の終了時点と 比べ、やや円高方向で推移。採算悪化懸念から、自動車や精密、機械 といった輸出関連株は終日弱含みで推移した。

SMBC日興証券・国際市場分析部の西尾浩一郎次長は、米連邦 債務上限引き上げをめぐる攻防について、「最終的に妥協案がまとまる 可能性が高い」とみるものの、政治的な駆け引きは期限直前まで続き そうと予想。「目先はリスク回避から、消去法的に為替の円高が進みや すい地合いにあり、輸出関連企業にとっては下期のV字回復期待がし ぼみかねない」と懸念していた。

中国鉄道事故、米キャタピラー決算の影響も

中国国営の新華社通信によると、中国では23日、浙江省温州市付 近で落雷により故障した車両に別の列車が追突する事故が発生。高架 橋から4両が転落し、少なくとも36人が死亡、200人近くが負傷する 惨事となった。

クレディ・スイス・グループでは25日、同事故に加え、北京と上 海を結ぶ高速鉄道の開業後に不具合が頻発していた影響などから、高 速鉄道沿線の都市で不動産需要が後退する可能性がある、との見方を 示した。同国経済マインドへの影響を懸念する格好で、上海総合株価 指数はじり安となり、東京時間午後3時前には前週末比2.6%安まで 下げを広げた。

東京市場での鉄道関連銘柄の値動きは、中国に車両技術を提供し た実績のある川崎重工業が下落。三菱重工業やナブテスコ、東洋電機 製造なども安い。半面、近畿車両、日本車両製造は上げた。トヨタア セットの浜崎氏は、中国の国民感情では鉄道の使用を敬遠する動きが 一時的に出るかもしれないが、「共産党主導の下にあって、高速鉄道網 の整備に遅れが出ることは考えにくい」と指摘し、この日一部で見ら れた鉄道関連株への売りは一過性との見方を示した。

このほか、中国関連株ではコマツが3%余り下げた。建設機器メ ーカー最大手、米キャタピラーの4-6月決算が市場予想に届かず、 22日の米株式市場でキャタピラーが急落したため、朝方から連想売り が先行。中国株安の影響も加わり、午後は一段安となった。

東証1部の売買高は概算で14億1401万株と、5月30日以来の低 水準。売買代金は9597億円と、6月13日以来の低水準だった。値下 がり銘柄数は1037、値上がり467。東証33業種は、証券・商品先物取 引、銀行、精密機器、その他製品、電気・ガス、機械、不動産、輸送 用機器など31業種が下落。鉱業と陸運の2業種のみ小幅に上げた。

日電産崩れる、日海洋掘削は高い

個別では、東日本大震災の影響を受けた主要産業のサプライチェ ーン(供給網)が急速に回復したことを受け、今期(2012年3月期) の連結業績予想を上方修正したものの、アナリスト予想平均に届かな かった日本電産が午後に下落基調を強めた。半面、日本政府が2012 年度末にメタンハイドレートと呼ばれる海底資源から天然ガスを産出 する実験に乗り出す、と25日付の日本経済新聞朝刊が報じたことを受 け、事業機会の拡大期待から日揮や日本海洋掘削が買われた。

国内新興市場は高安まちまちで、ジャスダック指数が前週末比

0.1%安の53.32、東証マザーズ指数は同0.8%高の482.02。

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