今日の国内市況:株式3日続伸、債券安・ユーロ高-ギリシャ懸念後退

東京株式相場は3日続伸。ギリシ ャが金融支援を得るために必要な緊縮財政案を同国議会が可決し、欧 州債務問題に対する過度の不安が後退した。アナリストによる業界判 断の引き上げ材料も加わった銀行をはじめ、石油・石炭製品やゴム製 品、化学など景気敏感業種の一角が高い。

また、佐賀県知事が原子力発電所再稼働に容認姿勢を示したと主 要各紙で伝わり、九州電力が上昇するなど電力株も上昇。ただ、日米 であす発表される重要経済統計の内容を見極めたいとの姿勢や、対ド ルでの円高方向の動き、株価指数が前日に1カ月半ぶりの高値を付け ていた反動もあり、相場全般の上値は重かった。

TOPIXの終値は前日比5.11ポイント(0.6%)高の849.22、 日経平均株価は同18円83銭(0.2%)高の9816円9銭。

ギリシャ議会は29日、欧州連合(EU)が支援の条件としている 780億ユーロ(約9兆円)規模の緊縮財政案を可決。デフォルト回避 に向けパパンドレウ首相は最初のハードルを乗り越えた。次に議会は、 これらの措置の実施を承認する第2の法案を30日に採決する。

ギリシャ不安の後退、それを受けた欧米株高を好感し、銀行や石 油・石炭製品、ゴム製品、化学、鉄鋼、ガラス・土石製品など景気敏 感業種が上昇。TOPIXの上昇寄与度トップの銀行には、ドイツ証 券が業界判断を「マーケットウエート」から「オーバーウエート」に 引き上げる材料もあった。

このほか、電気・ガスが東証1部33業種の上昇率トップ。玄海原 発の運転再開に向けた動きが伝わり、コスト負担の増加懸念が後退し た九州電をはじめ、四国電力や関西電力も高い。

もっとも、相場全般に対する買いの勢いは弱く、日経平均は午前 の取引で下落する場面も見られた。前日にはTOPIXと日経平均が 約1カ月半ぶりの高値水準を回復、目先の達成感があるほか、あす7 月1日に国内で6月の日本銀行の短期経済観測調査(短観)、米国では ISM製造業景況感指数の発表が予定され、買い手控えムードもあっ た。業種別33指数は保険、水産・農林、食料品、陸運の4業種が安い。

半面、震災によるサプライチェーン寸断が部品納入に響くことな どで、12年3月期の営業利益が前期比5.5%減になる見通しのメック が売られた。

東証1部の売買高は概算で19億263万株、売買代金は1兆3195 億円。値上がり銘柄数は1143、値下がり366。国内新興市場は、ジャ スダック指数が前日比0.3%高の52.11と小幅続伸。東証マザーズ指 数は同0.2%安の455.20と3営業日ぶりに小幅反落した。

債券続落

債券相場は続落。長期金利は一時1.14%と2週間ぶりの高い水準 で取引された。ギリシャの債務問題に対する懸念が緩和したことを受 けて、欧米ではリスク回避を狙った株安・債券高の反動が広がり、国 内債市場も先物をはじめ現物にも売りが膨らんだ。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回り は、前日比1ベーシスポイント(bp)高い1.125%で開始。その後も じりじりと水準を切り上げて、午後には一時15日以来の高い水準とな る1.14%を付けた。

東京先物市場の中心限月の9月物は前日比18銭安い141円16銭 で開始。いったんはきょうの高値141円26銭まで下げ幅を縮めたが、 すぐに売りが優勢なって141円10銭付近まで下落。さらに、午後には 17日以来の安値141円01銭を付けており、結局は30銭安の141円04 銭で取引を終えた。

ユーロ続伸

東京外国為替市場ではユーロが対ドルで続伸し、約3週間ぶりと なる1ユーロ=1.45ドル台を付けた。ギリシャの緊縮財政案可決を受 け、目先のデフォルト(債務不履行)懸念が後退したことや、欧州中 央銀行(ECB)による来週の追加利上げ観測が、ユーロ買いにつな がった。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.44ドル台前半から一時、今月10 日以来の水準となる1.4519ドルまでユーロ高・ドル安が進行。また、 リスク選好の動きからドルは全面安となり、対ニュージーランド・ド ルでは過去最安値を更新した。

ドル・円相場は1ドル=80円台後半から一時、3営業日ぶり安値 となる80円31銭までドル売りが進行した。

また、ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=116円97銭までユーロ 買いが進んだが、その後は対ドルでのユーロ買いと円買いが交錯し、 116円台半ばでもみ合う展開となった。

ギリシャ議会は29日、欧州連合(EU)が支援の条件としている 緊縮財政案を155対138で可決した。パパンドレウ首相は次にこれら の措置の実施を承認する第2の法案の通過を目指す。30日の採決で第 2の法案が可決されれば、ギリシャがEUなどによる5回目の融資を 受ける道が開かれる。緊縮財政策に関する2回目の審議はアテネ時間 30日午前10時(日本時間同日午後4時)に再開する。

国際通貨基金(IMF)のリプスキー専務理事代行は29日、ブル ームバーグテレビジョンで、ギリシャ救済措置について、民間セクタ ーが自発的に関与する見通しであることを明らかにした。

ドイツでは金融機関と財務省が2020年までに償還期限を迎える ギリシャ国債のロールオーバー(借り換え)に応じる案を協議してい る。話し合いが非公開だとして複数の関係者が匿名を条件に明らかに した。ドイツ側は当初、14年償還までのギリシャ債のロールオーバー を想定していたが、対象の拡大を検討しているという。

ECBのビニスマギ理事は、30日付のフランス紙レゼコーに掲載 されるインタビューで、ギリシャ債務危機を解決する手段として、フ ランスが提案した構想を「興味深い」と評価。クレジットイベント(信 用事由)は避けなくてはならないと述べた。同理事はまた、インフレ 率が2%を超え、経済成長率が潜在成長率を上回っていることを考慮 すれば現行の政策金利1.25%は緩和的だと指摘した。

ECBのトリシェ総裁は28日、同中銀の当局者らは「強い警戒モ ード」にあると発言。来週の政策委員会での利上げを示唆している。

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