債券続落、長期金利一時1.14%-ギリシャ問題緩和でリスク回避の反動

債券相場は続落。長期金利は一時

1.14%と2週間ぶりの高い水準で取引された。ギリシャの債務問題に 対する懸念が緩和したことを受けて、欧米ではリスク回避を狙った株 安・債券高の反動が広がり、国内債市場も先物をはじめ現物にも売り が膨らんだ。

三菱UFJ投信債券運用部の倉林俊之次長は、ギリシャのデフォ ルト(債務不履行)が回避されて問題先送りとなったため、株式売り などリスク回避の投資行動の巻き戻しが起きたと言い、「国内債も10 年債利回り1.1%割れからの反動の売りが優勢だった」と話した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回り は、前日比1ベーシスポイント(bp)高い1.125%で開始。その後も じりじりと水準を切り上げて、午後には一時15日以来の高い水準とな る1.14%を付けた。4時10分現在では1.5bp高の1.13%。

ギリシャ議会は29日、欧州連合(EU)などが支援の条件として いる緊縮財政案を155対138で可決。デフォルト(債務不履行)回避 に向けてパパンドレウ首相が最初のハードルを越えたため、同国の債 務問題に対する過度の懸念が後退した。

これを受けた前日の欧州市場ではアイスランドを除く17カ国で 主要な株価指数が上昇する一方、ドイツなどで債券相場が下落。米国 でもダウ工業株30種平均が約1カ月ぶり高値圏に上昇したが、米10 年債利回りは一時5月26日以来の高い水準となる3.13%を付け、結 局は8bp高い3.11%付近で引けた。

債券高・株安の巻き戻し

RBS証券の徐端雪債券ストラテジストは、ギリシャ問題に関し て最悪の事態が回避されたと言い、「各国市場でこれまでの債券高・株 安に巻き戻しが起きている」と指摘。日経平均株価は午前には下げに 転じる場面があるなど上値が重かったが、午後に入ると小高い推移が 続いて、結局は5月11日以来の高値圏で取引を終えた。

ただ、米国では今週も消費や住宅関連で弱めの指標が続くなど、 足元の景気減速懸念はぬぐえていない状況。SMBC日興証券の土井 俊祐マーケットアナリストは、米金利のトレンド転換にはマクロ面か らの支援材料が乏しい中、「国内債は好需給という投資環境にも変化は なく、押し目買いが金利上昇を抑制する」とみていた。

先物は17日以来の安値圏

東京先物市場の中心限月の9月物は前日比18銭安い141円16銭 で開始。いったんはきょうの高値141円26銭まで下げ幅を縮めたが、 すぐに売りが優勢なって141円10銭付近まで下落。さらに、午後には 17日以来の安値141円01銭を付けており、結局は30銭安の141円04 銭で取引を終えた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、ギリシャの財政再建策が議会で承認されて、悲観的なムード が後退したため、前日の米国債相場が下落した地合いを受けて、国内 債にも売りが先行したと言う。

一方、あす7月1日には日本銀行が6月調査の企業短期経済観測 調査(短観)を発表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想 中央値によると、大企業の製造業の業況判断指数(DI)はマイナス 7と、3月調査のプラス6から大幅に悪化する見通し。

あすの米ISM指数に注目

市場では、米供給管理協会(ISM)があす発表する製造業景況 指数を注目する声もある。三菱UFJ投信の倉林氏は、米国市場はこ こまで量的緩和第2弾(QE2)終了後の株安・債券高を先取りして 動いた感があると指摘。その上で、「仮にISM指数が弱めの内容とな っても債券買いの動きが鈍いと、米国の金利低下トレンドが転換した 可能性も意識せざるを得ない」とみている。

ISMが今月1日に発表した5月の同指数は2009年9月以来の 低水準となる53.5に下振れて、景気減速懸念の高まりがその後の米国 市場の株安・債券高のきっかけとなった。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値によると6月は

51.8に低下する見通しとなっている。市場では、製造業の活動の拡大 と縮小の境目とされる50を下回るとの見方もある。

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