6月29日の米国マーケットサマリー:ユーロ上昇、ギリシャ採決好感

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.4434 1.4371 ドル/円 80.81 81.12 ユーロ/円 116.65 116.58

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,261.42 +72.73 +.6% S&P500種 1,307.41 +10.74 +.8% ナスダック総合指数 2,740.49 +11.18 +.4%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .47% -.01 米国債10年物 3.11% +.08 米国債30年物 4.37% +.05

商品 (中心限月)   終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,510.40 +10.20 +.68% 原油先物 (ドル/バレル)  95.02 +2.13 +2.29%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで2週間ぶり高 値に上昇。ギリシャ議会が緊縮財政案を可決したことを受け、欧州中 央銀行(ECB)が来週の政策委員会で利上げを実施するとの見方が 強まった。

ユーロはスイス・フランと南アフリカ・ランドに対しても上昇し た。ギリシャのパパンドレウ首相が議会で法案通過に十分な票を確保 したことが手掛かりとなった。議会が可決したのは昨年合意した救済 融資の第5回分を実行するために必要とされる780億ユーロ(約9 兆円)規模の財政再建パッケージで、歳出削減のほか国有資産の売却 が含まれる。株式・商品相場の上昇を背景にドルは下落。欧州債務危 機への懸念が和らぎリスク資産への需要が高まった。カナダ・ドルは 上昇。同国の消費者物価指数が予想を上回る上昇を示したことが背景。

BNPパリバのシニア為替ストラテジスト、レイ・アトリル氏 (ニューヨーク在勤)は、「採決が済んだので、ECBのタカ派的な 動きにあらためて注目が集まるはずだ」と述べ、「採決までの見通し が晴れず、ここ2-3週間は機関投資家が模様眺めに終始した。当面 ギリシャ関連の不透明感が一掃されたとすれば、これまで控えられて いた対ドルでのユーロ買いは再び活発化する」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時08分現在、ユーロはドルに対して

0.4%高の1ユーロ=1.4433ドル。前日の終値は1.4371ドルだっ た。この日は一時、0.5%上昇し、6月15日以来の高値を付けた。 対円ではほぼ変わらずの1ユーロ=116円64銭。ドルは対円で

0.4%安の1ドル=80円84銭となっている。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。主要株価指数の過去3日間の上げは3月以来 で最大となった。ギリシャで緊縮財政案が可決されたほか、連邦準備 制度理事会(FRB)がデビットカードの「スワイプ」と呼ばれる取 引手数料の上限を従来案よりも引き上げる方向で調整していることが 材料となった。

決済ネットワーク大手のビザとマスターカードはいずれも急伸。 FRBは手数料の上限を21セントに設定するよう調整している。バ ンク・オブ・アメリカ(BOA)は、不良資産化した住宅ローン関連 証券をめぐる問題で、85億ドルを支払う和解案に合意。これが好感 され値上がりした。種子開発最大手のモンサントも高い。3-5月 (第3四半期)決算は77%の増益だった。USスチールを中心に鉄 鋼メーカーが上昇。ドイツ銀行が需要回復を見込んだのが買い材料だ った。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.8%高の1307.41。ダウ工業株30種平均は

72.73ドル(0.6%)上げて12261.42ドル。午後4時2分現在、 米証券取引所全体の出来高は約70億株で、前日までの3カ月平均を

0.6%下回った。

キーコープのプライベートバンキング部門チーフ投資ストラテ ジスト、ブルース・マケイン氏は、「ギリシャの緊縮案可決は確かに 重要な一歩だ。さらに、今の経済にはこの先数週間の株価を押し上げ るような材料が多い。相場はこれまでずいぶんと下げた。やや売られ 過ぎていたようにも見える」と続けた。

◎米国債市場

米国債市場では10年債が下落。3日間の下げとしては昨年11 月以降で最大となりそうだ。7年債入札での需要が低調だったほか、 ギリシャで緊縮財政法案が可決されデフォルト(債務不履行)のリス クが後退したことが手掛かり。

既発7年債の利回りは今月に入り最も高い水準に上昇。7年債入 札(発行額290億ドル)では間接入札の落札全体に対する比率がこ こ2年余りで最低となった。2年債利回りは0.50%を付けた。米連 邦準備制度理事会(FRB)による6000億ドルの国債購入計画は 30日に終了する。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券ト レーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は、 「今週は入札が3回あったが、どれも予想を下回る結果となった」と し、「量的緩和第2弾があす終了することを考えれば、これは良い兆 候とはいえない」と付け加えた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後2時58分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.11%。同年債(表面利率

3.125%、2021年5月償還)価格は21/32下げて100 1/8。

10年債利回りはここ3日間で24bp上昇と、33bp上げた昨 年11月15日までの3日間以来の大幅な上げ。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。今週初めに5週間ぶり安値に下 げたことをきっかけに、通貨の代替投資としての買いが広がった。

金相場は27日に1オンス=1490.80ドルと、5月20日以来の 安値を付けた。ギリシャ議会はこの日、欧州連合(EU)が支援の条 件としている緊縮財政案を可決した。デフォルト(債務不履行)回避 に向けてパパンドレウ首相は最初のハードルを乗り越えた。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は、「金がまずまずの水準に下げると買い注文 が入る」と指摘。「ギリシャで緊縮財政案が可決したからといって、 同国がすべての問題を解決したわけではない。金相場を動かす材料は まだすべて残っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 8月限は前日比10.20ドル(0.7%)高の1オンス=1510.40ドル で終了した。年初からは6.3%の値上がり。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続伸。2日間の上昇率としては過去 7週間で最大となった。米政府が発表した週間統計で、在庫が市場予 想の3倍近く落ち込んだことが手掛かり。

エネルギー省の在庫統計によると、原油在庫は今年最長となる4 週連続の減少。輸入の落ち込みを反映した。国際エネルギー機関(I EA)が戦略石油備蓄から計6000万バレルを放出すると発表した 23日に相場は4.6%値下がりしたが、この水準からは4.1%戻して いる。

ブルー・オーシャン・ブローカレッジのエネルギー・デリバティ ブと調査部門のディレクター、カール・ラリー氏は、「在庫の数字は 原油にとって非常に強気な材料となった」と指摘。「これは輸入が既 に減っていることを示している。IEAの備蓄放出のため、米国への 輸出はさらに減少する可能性がある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比1.88ドル(2.02%)高の1バレル=94.77ドルで終了した。前 日と合わせて4.6%高と、2日間の上昇率としては5月10日以来の 最大。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Mika Otsuka 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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