国内市況:株1カ月半ぶり高値・債券安、ユーロ堅調-ギリシャ楽観論

東京株式相場は続伸。TOPIX、 日経平均株価は約1カ月半ぶりの高値を回復した。ギリシャ財政問題へ の楽観的な見方が広がったほか、円相場の下落傾向も好感された。電機 や輸送用機器など輸出関連株中心に幅広く買われ、東証1部33業種は すべて高い。5月の鉱工業生産指数が市場予想平均を上回ったことも支 援材料となった。

TOPIXの終値は前日比13.77ポイント(1.7%)高の844.11、 日経平均株価は同148円28銭(1.5%)高の9797円26銭。TOPI Xは終値で5月12日以来、日経平均は同11日以来の高値。東証1部 の売買高は概算で16億7003万株、売買代金は1兆1365億円。値上 がり銘柄数は1357、値下がり198。

ギリシャ議会は29日、追加の金融支援を受けるのに必要な780億 ユーロ(約9兆円)規模の緊縮財政法案の採決を行う。ドイツの大手銀 行と保険会社は同国財務省と同日に会合し、ギリシャ支援パッケージへ の貢献について合意を目指す。債権者がロールオーバー(償還金の再投 資)するフランス案を協議し、交渉が進めば暫定合意に達する見込み。 ロールオーバーはEUが来月承認すると約束している第2次ギリシャ救 済パッケージの一部となる。

ギリシャ支援をめぐる期待感に加え、欧州中央銀行(ECB)のト リシェ総裁が来週の利上げを示唆したこともあり、外国為替市場ではユ ーロが主要通貨の大半に対し上昇。29日の東京市場では1ユーロ= 116円台後半まで円安・ユーロ高が進んだ。

円安好感や海外株高による投資家のリスク許容度回復の動きから、 トヨタ自動車やホンダ、ファナック、キヤノンといった時価総額上位の 輸出関連株が上昇。ニューヨーク原油先物相場の反発や金・銅先物の上 昇が収益にプラスに働くとみられる鉱業や非鉄金属、三井物産をはじめ とした商社など資源関連株も高い。

きょうの取引開始前に発表された5月の鉱工業生産指数は前月比

5.7%上昇。予想をやや上回り、2カ月連続のプラスとなった。鉱工業 生産と同時に示された製造工業生産予測指数は6月が同5.3%、7月は 同0.5%の上昇だった。

33業種すべて上げた東証業種別指数の値上がり率上位には、電 気・ガス、保険、非鉄、証券・商品先物、不動産、電機などが並んだ。 電気・ガスでは、東京電力が上昇。前日の同社株主総会では、原子力事 業からの撤退を定款に盛り込む一部株主からの提案を否決。燃料コスト 増への懸念後退で電力株全般に買いが入った。

債券下落-米債安・生産上昇

債券相場は下落。長期金利は一時1.12%と1週間ぶりの高水準を 付けた。前日の米国市場でギリシャ財政問題に対する見方が楽観的とな って債券安・株高となった流れを引き継ぎ売りが先行。鉱工業生産指数 が2カ月連続で上昇したことも相場の重しとなった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回 りは前日比1.5bp高い1.105%で始まった後、午前10時過ぎに3bp 高い1.12%に上昇。22日以来、約1週間ぶりの高水準を付けた。午後 に一時1.11%を付けたが、2時半過ぎに再び1.12%に上昇。3時以 降は2.5bp高い1.115%で推移している。

28日の米国債相場は下落。ギリシャ議会が緊縮財政案を承認する との観測が広がったほか、米5年債入札が低調となった。米10年債利 回りは前日比10ベーシスポイント(bp)高い3.03%程度で引けた。 米株式相場は上昇。欧州各国がギリシャのデフォルト(債務不履行)回 避に向けて行動するとの楽観が広がった。

中期債も下落。5年物の97回債利回りは一時前日比2.5bp高い

0.41%まで上昇。前週には0.38%と新発5年債利回りとして昨年11 月以来の低水準を付けていた。

東京先物市場で中心限月9月物は5営業日ぶりに反落。前日比27 銭安の141円33銭で開始。いったんは141円39銭にやや戻したが、 国内株価が上げ幅を拡大すると、一時141円20銭と23日以来の安値 を付けた。結局は26銭安の141円34銭で引けた。

ユーロ底堅い-利上げ観測など

東京外国為替市場では、ユーロが前日の海外市場で付けた高値付近 で底堅く推移した。欧州中央銀行(ECB)による7月の利上げ見通し やギリシャ議会で財政緊縮策が可決されるとの見方が、ユーロの下支え となった。

午後3時35分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.4370ドル 前後。午前には1.4338ドルまでユーロ安に振れる場面が見られたが、 午後にかけてはユーロがじり高。一時1.4382ドルと前日の海外市場で 付けた約1週間ぶり高値(1.4397ドル)に近付いた。

ユーロ・円相場も午前に一時、1ユーロ=116円17銭までユーロ 売りが進んだが、午後には早朝の水準(116円58銭)付近まで値を戻 した。

ECBのトリシェ総裁は28日、同中銀の当局者らは「強い警戒モ ード」にあると発言。7月7日の政策委員会での利上げ実施を示唆した 。ECBは4月に約3年ぶりの利上げに踏み切り、政策金利を1.25% に引き上げた。ユーロ圏のインフレ率は昨年12月以降、ECBが上限 と見なす2%を上回っている。

一方、ドル・円相場は国内輸出企業のドル売り・円買い需要などか ら一時1ドル=81円ちょうどを割り込む場面が見られたが、午後にか けては同水準を上回り、ドルが小じっかりとなった。前日の海外市場で は、米債利回りの上昇を背景にドルは今月2日以来の高値となる81円 27銭を付けていた。

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