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トリシェECB総裁:欧州の新たなビジョンの構築が急務

欧州中央銀行(ECB)のトリシ ェ総裁は28日、政策当局者らは統合された欧州のビジョンを新たに打 ち出す必要があるとの見解を明らかにした。

トリシェ総裁はブリュッセルでの講演で、「近頃、『欧州』とそれ がもたらす恩恵は当然のものと受け取られるようになった」と指摘。 「欧州統合の成功のおかげで、戦争の脅威は多くの欧州人、特に若い世 代にとっては過去のものとなった。このため、われわれが望み、実際に 必要としているような欧州の新たなビジョンを構築することが一層急務 になっている。そのビジョンは分かりやすく、欧州連合(EU)市民が 共有できるものであるべきだ」と呼び掛けた。ECBが講演のテキスト を提供した。

トリシェ総裁はユーロについて、1999年の決済通貨としての導入 以来、企業の決済・ヘッジ費用の削減や貿易促進、1400万人余りの雇 用創出を通じて欧州の繁栄に寄与してきたと指摘。またECBのインフ レ抑制の取り組みに関して、過去50年間にこれほど成功したユーロ圏 諸国の中銀はなかったと述べた。

トリシェ総裁は「ECBには明確な責務がある。それは、年間イン フレ率が中期的に2%を若干下回る水準と定義される物価安定性を実現 することだ」とした上で、「欧州経済通貨同盟(EMU)発足以降の 12年間のユーロ圏の平均年間インフレ率は1.97%だ。進展が必要なの は経済の方だ」と指摘した。

同総裁はまた、各国政府に対し、不健全な政策防止のためのルール 強化や経済ガバナンスの改善を呼び掛け、「短期的には、われわれは現 在進行中の構造調整プログラムの実施を通じて最も緊急な問題に取り組 む必要がある」と述べた。

長期的な見通しについては、トリシェ総裁は自身が今月提唱したユ ーロ圏財務省の創設案に言及したものの、「こうした要素の詳細な策定 は別の機会の講演のテーマになるだろう」と述べるにとどまった。

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