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ECB総裁:「強い警戒」に言及-来週利上げの意向を示唆

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ 総裁は28日、同中銀の当局者らは「強い警戒モード」にあると発言。 ギリシャがデフォルト(債務不履行)回避に向けて苦しむ中でも、EC Bには来週の政策委員会で利上げを実施する用意があることを示唆し た。

同総裁はアムステルダムでのセミナー後に記者会見し、「われわれ はインフレ期待を抑え込むために漸次決定を下している」と説明。「E CBに関する限り、当局は強い警戒モードにある」と述べ、利上げが 差し迫っていることを示唆するために同中銀が用いる文言をあらため て口にした。トリシェ総裁はアジア太平洋地域の中銀総裁とのセミナ ーに出席した。

トリシェ総裁の発言を受けてユーロは1セント余り上昇し、ニュ ーヨーク時間28日午後1時50分(日本時間29日午前2時50分)現 在、1ユーロ=1.4351ドル。2年物ドイツ国債の利回りは8ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.46%で終了した。

ECBは4月に約3年ぶりの利上げに踏み切り、政策金利を

1.25%とした。ユーロ圏のインフレ率は昨年12月以降、ECBが上限 と見なす2%を上回っている。ギリシャのデフォルト懸念が景気見通 しを曇らせる中、ECBは7月7日に政策委員会を開く。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の欧州担当シニアエコ ノミスト、イエンス・ソンダーガード氏は、トリシェ総裁の発言は「非 常に強いシグナルだ。ただ、すべてはギリシャの状況次第だ」として、 「望む方向に事態が進めば利上げをするだろうが、来週の木曜は遠い 先だ」と述べた。

「ギリシャ自身の責任」

トリシェ総裁はギリシャ危機やギリシャ債の70%ロールオーバー をめぐるフランス案についてコメントは避けた。「これは各国政府の責 任だ」とし、「幾つかの案が検討されている。ECBは展開を見守って いる。決定するのは政府であり、それからECBは姿勢を決める」と 語った。

緊縮財政案の是非を29日に採決するギリシャについては、同国財 政の「調整プログラムは極めて重要だ」とし、「ギリシャの民主主義が 適切な決定をすることが最重要だと考えている。国の経済を改革し調 整するのはギリシャ自身の責任だ。それが中長期的な成長と雇用の見 通しを決定付ける」と説いた。

共に記者会見した韓国銀行(中銀)の金仲秀総裁は、韓国がギリ シャ債を購入するかとの質問には答えられないとし、ギリシャについ て懸念しているかとの問いには「問題がほぼ適切な形で解決されるだ ろうと考えている。ギリシャ問題が世界経済にさらなる問題をもたら すことは想定していない」と答えた。

トリシェ総裁はまた、インフレ期待を抑え続けることは「安定と 信頼、欧州の繁栄のために極めて重要なことだ」と述べた。各中銀が 「直面する課題は大きく異なるかもしれないが、インフレ期待をしっ かりと抑え続けるという目標においてわれわれは強く団結している」 とも語った。「われわれの仕事が容易だということにはならない」と付 け加えた。

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