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債券続伸、長期金利は7カ月ぶり低水準-午後に先物買い膨らむ

債券相場は続伸。米国株高を背景 に反発して始まった国内株相場が午後に伸び悩んだため、債券先物に 買いが膨らんだ。長期金利は1.085%と7カ月ぶりの低い水準での取 引となった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、米国市場の動向を受けて売りが先行したものの、投資家の押し目 買いに支えられてしっかりの展開だったと指摘。その上で、「好需給を 背景に金利のじり安基調が続きそうな感じだ」とも話した。

東京先物市場の中心限月の9月物は前日比11銭安の141円45銭 で始まり、午前10時20分前後にきょうの安値141円42銭を付けた。 しかし、その後はじりじりと下げ幅を縮めて、午後2時半過ぎにはプ ラス圏に浮上。引け前には中心限月として昨年11月24日以来の高値 となる141円63銭を付け、結局は4銭高の141円60銭で終了した。

9月物は27日午後には7カ月ぶり高値圏となる141円60銭まで 上昇したが、その後の米国市場の株高・債券安などが逆風となって、 この日の午前には売りが先行した。

27日の米国株市場ではバーゼル銀行監督委員会が世界金融シス テムの安定を維持するため自己資本の増強を求めたことが好感され、 ダウ工業株30種平均やS&P500種株価指数が4営業日ぶりに反発。 米国債市場は2年債の入札低調などが売り材料視され、米10年債利回 りは7ベーシスポイント(bp)高い2.93%付近で引けた。

もっとも、午後に日経平均株価が伸び悩むと、債券先物には再び 買いが優勢となった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克 俊債券ストラテジストは、「週末には日米両国で注目指標の発表を控え ているが、今週は国債入札の実施が予定されていないなど売りの出に くいタイミング」との見方を示していた。

10年債利回りは1.085%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回り は前日比1bp高い1.105%で始まり、いったんは1.11%まで上昇する 場面があった。その後しばらくは1.10%での推移が続いたが、午後2 時半すぎには1bp低下の1.085%を付け、新発10年債として昨年11 月22日以来の低い水準を記録した。

この日は外部環境が悪化したことから売りが先行したが、現物市 場の需給環境が良好なほか、米国の景気減速懸念やギリシャ債務問題 の不透明感が根強いことが支えとなっていた。

トヨタアセットの深代氏は、ギリシャ問題が和らいで海外金利が 上昇する局面は、国内投資家にとって押し目買いの好機ととらえられ ていると指摘。「資金需要が乏しい中では利益確定売りを出しても、結 局は再び債券買いで対応せざるを得ない状況」とも話した。

鉱工業生産は2カ月増加の見通し

一方、あす29日に発表される5月の鉱工業生産は2カ月連続で前 月比増加する見通し。三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏は、 市場では今回の鉱工業生産について強めの見通しが多く、米国の景気 減速の一因ともなった自動車メーカーの生産活動の盛り返しが示され ると、「一時的に債券相場の上値を抑える可能性がある」とみている。

鉱工業生産は東日本大震災が発生した3月に過去最大の落ち込み を記録したが、4月には前月比1.6%増とプラスに転じた。みずほ証 券の土山直樹マーケットエコノミストは、サプライチェーン(供給網) が急速に回復したことで、自動車メーカーなどは夏場にかけて震災前 の水準まで回復するとみており、「輸送機械工業を中心にV字回復とな って、5月の鉱工業生産は前月比7.3%増と予想する」と言う。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値によると、5月 の生産指数は前月比5.5%上昇する見通し。経済産業省によると製造 工業生産予測指数は5月が同8.0%上昇、6月は同7.7%上昇。

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