東電の西沢新社長:本事業関連の資産売却考えず-発送電分離は困難

【記者:岡田雄至、佐藤茂】

6月28日(ブルームバーグ)東京電力の西沢俊夫新社長は、福島第 一原子力発電所事故の賠償金支払いのための資産売却について「電気事 業に関連する資産の売却は考えていない」と述べ、発送電の分離に消極 的な考えを示した。同氏は28日の株主総会で社長に選任された。

西沢氏(60歳)はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで保 養所などの厚生施設や関連会社の株式を売却して得られた資金について 「どういう形で使うかについては、よく考えないといけない」と述べ た。

東電は、5月20日の決算発表時に6000億円以上の資産売却と 5000億円以上のコスト削減を目指す計画を発表。同社の資産などについ て調べる第三者委員会「経営・財務調査委員会」は、6月中旬以降に監 査法人など外部の資産評価(デューディリジェンス)を行う業者を選定 するための入札を実施し、7月中旬までに実際の作業を開始することを 予定している。

資産売却について、西沢氏は「一番良いときに一番良い形でやりた い。買いたたかれるのは避けないといけない。ある意味で、あんまりオ ープンにしない形でやるのがビジネスの要諦だ」とし、売却する資産や 時期について明言を避けた。

発電と送電の分離に関する議論については、諸外国の事例や安定供 給を維持するための責任の所在など「いろいろな評価軸がある。そこを きちっと押さえた議論が必要」との認識を示した。電力10社が加盟する 電気事業連合会のなかで分離に関する議論を重ねるべきだとの考えを示 した。

実際に発送電を実際に分離する場合には、重要な資産の売却が必 要になることから、「株主総会での合意を得なければ厳しい」と述べ た。英国など欧州での発送電分離の事例は国営電力会社によるものだっ たと指摘。民間企業の場合には株主からの合意が得にくいと付け加え た。

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