米景気の回復度合いは本物かどうかで楽観論と悲観論が交錯

米経済の力強さがどの程度かをめ ぐる見解は、ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、 マーク・ザンディ氏らの楽観論者と、グラスキン・シェフ・アンド・ アソシエーツのチーフエコノミスト、デービッド・ローゼンバーグ氏 ら悲観論者の間で真っ二つに分かれている。

ザンディ氏やクレディ・スイス・グループのチーフエコノミスト、 ニール・ソス氏は向こう半年間の持続的成長を見込んでおり、最近の 個人消費や製造業活動、国内総生産(GDP)の伸び鈍化は一時的な ものにすぎないとの点で、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナ ンキ議長と認識が一致している。両氏は米国の2年にわたる景気拡大 と企業収益の増加は成長率が上向く兆しだとみている。

ザンディ氏は「今の米国は1年前よりもかなり強くなっている」 と指摘。「雇用市場にそれが表れている。当時は雇用の伸びが回復し始 めたばかりだったが、現在は200万人の民間セクターの雇用が創出さ れている」と説明した。

一方、ローゼンバーグ氏やバンク・オブ・アメリカ(BOA)メ リルリンチの先進国市場経済調査責任者、イーサン・ハリス氏は一部 の財政刺激策が終了し、連邦と州、地方政府が予算削減を継続する中、 米経済は苦戦すると分析している。両氏は、企業の過去最高の収益が 雇用加速につながる公算は小さいとした上で、欧州債務危機の終息や 震災後の日本の製造業回復にどのくらいかかるか誰も正確には分から ないと語った。

ローゼンバーグ氏は「1-3月(第1四半期)にわれわれが陥っ た下降局面が全くの一時的現象だとの見方は間違っている」と話す。 「現在の状況はソフトパッチ(景気の一時的軟化局面)」であり、新た なリセッション(景気後退)は「追加的な一連の刺激策がない限り、 事実上織り込み済みだ」と付け加えた。

業績回復で株価反発も

投資家は、特に国内販売と輸出の両方から利益を得る米ディーア などのメーカーについて一段の回復力を見込んでいる。ウェルズ・キ ャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ジェームズ・ ポールセン氏は日本からの供給途絶や原油高といった一時的な重しが 取れれば、今年7-12月(下期)には「単にネガティブから中立に戻 るだけでなく、ネガティブからポジティブになるだろう」との見方を 示し、それが工業やハイテク、新興市場関連銘柄を中心とする株価の 押し上げ要因になると分析した。

ポールセン氏は「米成長率見通し改善に伴い、株価は上昇する」 と予想。「経済指標のはっきりした好転が見られるのは8月より後にな るかもしれない。株価は7月ごろに上向き始めるだろう」と付け加え た。

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