構想会議提言:復興財源に臨時増税措置を明記、「基幹税」で検討を

東日本大震災復興構想会議(議 長・五百旗頭真防衛大学学長)は25日、復旧・復興財源には既存歳出 の見直しとともに、臨時増税措置を講じるよう明記した「復興への提言 -悲惨のなかの希望-」を発表した。増税対象の税目については政府が 所得、消費、法人の3税を意味する「基幹税」を中心に検討するよう促 している。

提言は復旧・復興財源について「次の世代に負担を先送りすること なく、今を生きる世代全体で連帯し、負担の分かち合いにより確保しな ければならない」と提唱。政府に対し、「国・地方の復興需要が高まる 間の臨時増税措置として、基幹税を中心に多角的な検討を速やかに行 い、具体的な措置を講ずるべきである」と求めている。

その上で、「海外の格付け会社も、復興のあり方とわが国の財政健 全化の取り組みに懸念を示している」と指摘。復興債を発行する場合に は、こうした臨時増税措置を示すことが「日本国債に対する市場の信認 を維持する観点から、とくに重要」と強調している。

内閣府が24日に公表した推計によると、東日本大震災による被害 額は約16兆9000億円だが、これには原子力発電所事故による被害を 含めておらず、最終的な額はさらに膨らむ見通しだ。

また、構想会議の検討部会メンバーであるBNPパリバ証券の河野 龍太郎チーフエコノミストによる推計では復旧・復興のためにかかる国 費について14.1兆円から20.0兆円と推計しているが、これも原発事 故による被害は含めていない。

基幹税

提言では具体的な税目については「基幹税」とするにとどめている が、五百旗頭氏は提言の骨子案を公表した11日の記者会見で、「基幹 税というのは所得税と消費税と法人税」と説明した。

ただ、このうち消費税の増税に関しては枝野幸男官房長官が11日 夜、NHKの番組で、「被災地の皆さんにも同じようにかかっていくと いう問題点がある。被災地のみなさんがすべて幅広くという考え方は、 ちょっと今回の趣旨とは違うのではないかと思っている」と慎重な考え を明らかにしている。

提言は「新しい地域のかたち」「くらしとしごとの再生」「原子力 災害からの復興に向けて」「開かれた復興」の4章で構成されている。

原発事故

東京電力福島第一原子力発電所事故に関しては、「国は原子力災害 の応急対策、復旧対策、復興について責任を持って対応すべきである」 と指摘。具体的には被災者への賠償を迅速に行うため、国会に提出して いる「原子力損害賠償支援機構法案」の早期成立や放射線量のモニタリ ングを一元的かつ計画的・継続的に行うことや、土壌の除染に関する手 法の早期確立とその着実な実施などを求めた。

放射線の影響に関する長期的健康管理や最先端の研究・医療を行う 施設を福島県内に整備することや、医療産業を同県内へ集積するための 「特区」の活用も提唱している。

菅直人首相は25日午後の復興構想会議で、提言を受けた今後の対 応について「この提言を最大限生かしてこれからの復興に当たりたい。 週明けには復興本部を正式に立ち上げこの提言に基づく指針をつくって いく」と語った。

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