今日の国内市況:日本株反発、長期金利は一時1.1%割れ-80円台半ば

東京株式相場は反発。ギリシャに 対する欧州連合(EU)の支援姿勢が確認され、欧州債務問題への過度 の警戒が和らいだ。電機など輸出関連、鉄鋼や非鉄金属など素材関連、 金融など幅広い業種が買われ、午前は安かった鉱業株、個別では東京電 力が午後には前日比プラス圏に切り返した。

TOPIXの終値は前日比7.69ポイント(0.9%)高の833.20、 日経平均株価は81円97銭(0.9%)高の9678円71銭。

ギリシャではまだ緊縮策の議会承認というヤマ場が残るものの、 最低条件はクリアしてきたとの指摘のほか、米国の金融緩和状態が維持 されるとの見通しがきょうの相場を支えたとの声があった。

パパンドレウ首相は23日、EU首脳会議に先立つ会合で財政緊縮 策の実現を公約。さらに同国から全ての賃金所得者を対象とする1- 5%の「連帯税」を導入する追加措置が提案され、EUと国際通貨基金 (IMF)当局者らに支持された。EU首脳は、ギリシャの7月の資金 需要を満たすために必要なことを行うと約束した。

こうした動きを受けて為替市場ではユーロ安が一服。海外時間23 日には一時1ユーロ=113円85銭までユーロ安・円高が進んだが、東 京時間きょうは114円台後半での動きとなった。

海外株高への期待も日本株の押し上げ要因となった。きのうの米 S&P500種株価指数は取引終了にかけて急速に下げ渋り、24時間取 引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム)の米S&P500種指数先 物は、東京時間きょうの取引で堅調に推移。中国などアジア株も総じて 高く、行き過ぎたリスク回避の反動の様相を呈した。

きのうの米国株安の一因だったニューヨーク原油先物相場も、ア ジア時間24日の時間外取引で反発。国際エネルギー機関(IEA)加 盟国が戦略石油備蓄の放出を決めたことについて、期限のあるものであ って価格抑制効果は一時的なものに限られるとの声が聞かれた。午前に 下落していた鉱業株は、午後にプラスに転じた。

また、東電株は午後の取引で急伸し、東証1部の売買代金首位と なった。日本経済新聞電子版は24日、政府が原発事故の損害賠償を支 援する原子力損害賠償支援機構への資金援助のため、2兆円の交付国債 を発行する方針を決めたと報じた。このほか、抜本的な構造改革の進展 などを評価し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が格上げした東芝 が大幅高。液晶テレビ事業の営業赤字縮小などが株価のカタリスト(触 媒)になるとし、同証が格上げしたソニーは4連騰となった。

東証1部の売買高は概算で17億6117万株、売買代金は同1兆 981億円。値上がり銘柄数は1144、値下がりは406。

債券上昇、長期金利は一時1.1%割れ

債券相場は続伸。前日の米国債相場が経済指標悪化などを受けて 上昇した地合いを引き継いで買いが先行した。長期金利は一時約7か月 ぶりに1.1%を割り込んだほか、先物は昨年12月以来の高値を記録。 超長期債などにも買いが入った。しかし、午後に入ると高値警戒感から 売りに押される場面があった。

東京先物市場で中心限月9月物は続伸。前日比12銭高の141円 37銭と、17日に付けた直近高値(141円33銭)を更新して開始。午 前10時過ぎには141円44銭と、中心限月ベースで昨年12月7日以 来の高値を付けた。午後に入ると売りが優勢となって3銭安まで下げた が、結局は6銭高の141円31銭で終えた。

23日の米国債相場は上昇。先週の米失業保険申請件数が増加した ことが買いを誘った。ギリシャの財政緊縮法案の成立が難航するとの懸 念も材料。米10年債利回りは7bp低下の2.91%。一時は10ベーシ スポイント(bp)低下の2.88%と日中取引ベースで15日以来の大幅 な下げとなる場面もあった。一方、米株式相場は下落した。

朝方は前日の米国債相場が上昇した地合いを引き継いで買いが先 行した。市場では、米長期金利が3%を天井にじわりと低下し始める中 で、国内では10年債利回りの1.1%をはじめ、5年債の0.4%や20 年債の1.9%といった節目の下抜けを探る展開との見方が出ていた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利 回りは、前日比1bp低い1.095%で始まり、昨年11月22日以来の

1.1%割れを記録した。午前は1.095-1.105%のレンジで推移。午後 に入るとやや水準を切り上げ、零時40分前後には0.5bp高い1.11% まで上昇。その後は1.105-1.11%で推移している。

長期金利が朝方に低下した後に売られたことについては、節目の 水準である1.1%を割り込んだので材料出尽くし感からポジション(持 ち高)調整の売りが出たとの説明が聞かれた。

超長期債が買われた。政局の混迷で今年度第3次補正予算の編成 が後ずれして、当面は国債増発が回避されるとの観測などが買い材料と なったもよう。20年物の128回債利回りは前日比1.5bp低い1.875% まで低下し、新発20年債利回りとして、1月4日以来の低い水準を付 けた。30年物の34回債利回りは2bp低い2.00%に低下している。

ユーロの上値重い、ドル・円は80円台半ば

東京外国為替市場ではユーロの上値が重い展開となり、対ドルで は1ユーロ=1.42ドル台半ばから後半を中心に推移。ギリシャ向け支 援融資の成否がかかっている緊縮財政策の議会採決を来週に控えて、先 行き不透明感から積極的にユーロ買いを進めにくい状況が続いた。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.4127ドル と、16日以来、1週間ぶりの水準までユーロ安が進行。その後、この 日の日本時間早朝の取引で1.4277ドルまで水準を切り上げていたが、 午前中に1.4234ドルまで押し戻される場面も見られた。午後3時20 分現在は1.4264ドル近辺で取引されている

ドイツ政府経済諮問委員会(5賢人委員会)のペーター・ボーフ ィンガー委員は24日、ARDテレビの番組で、ギリシャの財政再建に は40-50%の債務減免が必要だとの見解を示した。

一方、ドル・円相場は、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC) で追加の量的緩和策が示されなかったため、前日の海外市場で一時1ド ル=80円80銭と、16日以来の水準までドル高が進行。東京市場では 80円半ばを中心に小動きに終始して、日中の値幅は21銭にとどまっ た。午後3時20分現在は80円48銭付近で取引されている。

ギリシャが支援融資を受けるためには緊縮財政策を成立させる必 要がある。議会は来週、法案の可否をめぐって投票を実施するが、ギリ シャ最大野党・新民主主義党のサマラス党首はブリュッセルで開かれた 欧州の保守政党関係者との会合で、歳出削減を支持するものの、「今の ポリシーミックス」は増税に依存し過ぎていると批判した。

23日には、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会と 欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の専門家から財政緊 縮策の支持を取り付けている。ユーロ圏財務相は7月3日に会合を開い て、ギリシャ向けの次回支援融資を提供するかどうか決定する。

ブルームバーグのデータによると、ギリシャは7月15日から22 日までに約40億ユーロの国債償還を迎える上に、7月には約30億ユ ーロの利払いが必要。さらに、8月20日には66億ユーロの国債償還 が迫っている。ギリシャ国内では、緊縮財政に対する抗議の動きが続い ており、2大労働組合は28日からの48時間ゼネストを呼び掛けてい る。

一方、23日に米国で発表された前週の新規失業保険申請件数は 42万9000件と、9000件増加した。ブルームバーグ・ニュースがまと めた市場予想の中央値41万5000件も上回った。

失業保険申請件数の増加を受けて景気の減速懸念が強まり、前日 の米株式相場は続落。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプショ ン取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は3営業日 ぶりの水準に上昇している。

また、米国債相場は上昇し、2年債の利回りは過去最低水準に接 近し、10年債利回りも1週間ぶりの大幅な低下となった。この日の米 国時間には5月の耐久財受注などの経済指標が発表される。

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