6月23日の米国マーケットサマリー:原油が急落、年初来マイナス

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.4261 1.4357 ドル/円 80.58 80.29 ユーロ/円 114.90 115.28

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,050.30 -59.37 -.5% S&P500種 1,283.51 -3.63 -.3% ナスダック総合指数 2,686.75 +17.56 +.7%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .34% -.03 米国債10年物 2.92% -.06 米国債30年物 4.17% -.04

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,520.50 -32.90 -2.12% 原油先物 (ドル/バレル) 91.85 -3.56 -3.73%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下げを縮小。欧 州当局者がギリシャのベニゼロス財務相の緊縮財政策を支持したこと から、同国の債務危機問題は解決に向かうとの楽観が広がった。

ユーロは一時、ドルに対してここ約1週間で最大の下げを記録 した。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が債務危機は銀行に 波及する恐れがあると発言したことに反応した。ドルは主要16通 貨のうち大半に対して上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が 前日の声明で、ドルの希薄化につながりかねない刺激策の追加は実 施しない方針を示唆したのが好感された。

BNPパリバのシニア為替ストラテジスト、レイ・アトリル 氏(ニューヨーク在勤)は、「問題はギリシャ議会が緊縮案を可決 させるかどうかだ」と述べ、「市場ではユーロに対してかなりショ ートポジションが建てられていたため、この日のニュースを手掛 かりに買い戻しが入った」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時15分現在、ユーロは対ドルで

0.7%安の1ユーロ=1.4260ドル。前日は1.4357ドル。一時は

1.6%安と、6月15日以来で最大の下げとなった。ユーロは対円 で0.4%下げて1ユーロ=114円88銭(前日115円28銭)。 ドルは対円で0.3%高の1ドル=80円56銭(前日は80円29 銭)。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は続落となった。欧州 の債務危機が銀行に飛び火するとの懸念が強まったほか、失業保険申 請件数の増加で米景気減速の兆候が新たに増えたことが背景にある。

JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴが安い。欧州中央 銀行(ECB)のトリシェ総裁は、欧州債務危機が銀行に波及する恐 れがあるとの認識を示した。石油大手のシェブロンとエクソンモービ ルは、原油相場が年初来マイナスに転落したことを材料に下落。ただ、 ギリシャが緊縮財政策をめぐり欧州連合(EU)、国際通貨基金(I MF)と合意に達したことから、株価は下げを縮小した。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.3%安の1283.50。ダウ工業株30種平均は

59.67ドル(0.5%)下げて12050ドル。

ハンティントン・アセット・マネジメントのランディ・ベイトマ ン最高投資責任者(CIO)は、「極めて落胆させられる状況だ」と し、「量的緩和第2弾(QE2)がちょうど終わろうとしている。Q E2の目的は、雇用を創出し景気を支えることだった。だが目的の半 分も達成できていない。急場しのぎの対策はギリシャを救済するため のものではない。ギリシャ債を保有する銀行を救済するためのものだ。 銀行が破たんすると思わせるような動きを示せば、問題はさらに大き くなる」と続けた。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。2年債利回りは過去最低水準に接近した。先 週の米失業保険申請件数が増加したことが買いを誘った。欧州中央銀 行(ECB)のトリシェ総裁は、債務危機が銀行に波及する恐れがあ るとの見解を示した。

10年債利回りは1週間ぶりの大幅な低下となった。米連邦公開 市場委員会(FOMC)は前日、6000億ドルの国債購入計画が予定 通り今月で終了した後も、記録的な規模の金融緩和策を継続する方針 を示した。FOMCはまた、米経済成長率見通しを引き下げた。この 日実施された30年物インフレ連動債(TIPS)入札(銘柄統合、 発行額70億ドル)では、最高落札利回りが市場予想を下回った。

バークレイズの金利ストラテジー共同責任者、マイケル・ポンド 氏(ニューヨーク在勤)は「要するに不確実性が原因だ」と指摘。 「経済統計は予想よりも弱かった。ギリシャをめぐる懸念も続いてい る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後2時26分現在、2年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の0.34%。一時は0.33%と、昨 年11月5日以来の低水準を付けた。11月4日には過去最低の

0.3118%を付けていた。同年債(表面利率0.5%、2013年5月 償還)価格は2/32上げて100 10/32。

10年債利回りは7bp低下の2.91%。一時は9bp低下と、 日中取引ベースでは16日以来の大幅な下げとなる場面もあった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は7週間で最大の下げ。景気の減速とド ル高でインフレリスクが後退し、金への投資意欲が弱まった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は22日、米景 気の回復について、「緩やかなペースで進行中だが想定より幾分遅い」 との認識を示した。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引 所(ICE)のドル・インデックスは一時1.4%上昇した。

一方、2月以来の安値となった原油の急落を背景にスタンダー ド・アンド・プアーズ(S&P)の商品先物24品目で構成するゴー ルドマン・サックス・コモディティ指数(GSCI )は一時4.7% 低下する場面も見られた。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC) で経済見通しが下方修正された後、「投資資金が商品市場から引き揚 げられている」と指摘、「原油相場の下落でインフレ率の低下が見込 まれる。さらに他の市場の損失を埋めるための金売りが一部で行われ ている可能性も否定できない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 8月限は前日比32.90ドル(2.1%)安の1オンス=1520.50ド ルと、5月5日以来最大の下げ幅となった。前日は一時1559.30ド ルと、1577.40ドルを記録した5月2日以来の高値を付けた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物は急落。国際エネルギー機関(IEA)加 盟国による戦略石油備蓄の放出発表を受け、相場は年初来マイナスに 転落した。

IEAは30日間にわたる日量200万バレルの備蓄放出を決定。 来週から放出を開始し、政情不安が続くリビアの減産分を埋め合わせ る狙いだ。米国の先週の新規失業保険申請件数が増加したことや、 22日の連邦公開市場委員会(FOMC)で経済成長見通しが下方修 正されたことを手掛かりに、商品・株式相場も下落した。

コンサルタント会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州)の スティーブン・ショーク社長は「IEAの放出量が最大の売り材料だ」 と指摘し、「経済状況や方向性を欠く米政府・議会の動きなどネガテ ィブなニュースが絶え間なく続き、相場が非常に不安定になっている」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比4.39ドル(4.6%)安の1バレル=91.02ドルと、終値ベース で2月18日以来の安値となった。相場は年初から0.4%下落した。

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