ギリシャ首相が凝視した財政の穴、欧州のみ込む恐れ-きょう首脳会議

ギリシャのパパンドレウ首相は200 億ユーロ(約2兆3000億円)の穴を凝視していた。

新たに政権の座に就いた指導者が選挙公約を実現する財源の不足 に気付くというのはよくあることだ。だからこそ、2009年10月の発足 から数日後にパパンドレウ新政権が迫りくる財政の大惨事に気付いた 時に、欧州各国の首都ではなかなか警報は鳴らなかった。

ユーロ圏17カ国を揺さぶり続けている債務危機で極めて重要な役 割を後日果たすことになるメルケル独首相は当時、この問題を「大げ さに扱うな」と述べ、「世界の他の国にも赤字はある」と語っていた。

こうした当初の反応は、欧州の首脳が危機収拾に失敗する予兆だ った。危機は1年9カ月目に入り、世界の指導者の間では新たな金融 の津波が来るとの不安が増大している。オバマ米大統領は今月7日、 メルケル首相に対し「デフォルト(債務不履行)の悪循環が制御不能 になるのを」阻止することが首相の仕事だと伝えた。中国人民銀行(中 央銀行)は今月14日、欧州で「大きなリスク」が形成されつつあると 指摘した。

ベルギーのルーベン・カトリック大学のポール・ドグローブ教授 は「最も好ましいのは今後半年間しのぐことができるというシナリオ で、あまり好ましくないのはこの事態が制御不能になる展開だ」と述 べた。

時間稼ぎ

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の欧州ポートフォリオ運用責任者、アンドルー・ボールズ氏は、ギリ シャとアイルランド、ポルトガルに約束された総額2560億ユーロの支 援でも、迫りくるデフォルトに対する時間稼ぎにすぎないと見る。ソ ブリン債のデフォルトに備えた保証料からは、ギリシャが4分の3以 上の確率で債務再編を余儀なくされることが示唆されている。

ボールズ氏は21日にブルームバーグテレビジョンに対し、「経済 状況を見ると、ギリシャにはまず望みがない」と述べ、「ギリシャとア イルランド、ポルトガルを保証してこれら3カ国を市場から退場させ、 3カ国に調整させれば、スペインにとっての時間稼ぎになるし、銀行 の資本増強の時間を確保できる」との見方を示した。

ブリュッセルで23日夜と24日に開かれるEU首脳会議はギリシ ャのジレンマに再び挑み、新たなギリシャ支援の規模とギリシャ債保 有者をどう関与させるかを議論する。ただEUの指導者らは既に、永 続的な解決策が首脳会議でまとまる可能性は低くなっていると考えつ つある。EUの行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨 担当)は20日、「難しい状況だ。改革疲れがアテネやマドリード、そ の他の都市で目立っている。EU加盟国の一部にも支援疲れが見られ る」と語った。

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