米国債:上げを消す展開、FOMCは追加緩和を示唆せず

米国債相場は上げを消す展開。 米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC) 終了後の声明で、米国債購入計画を予定通り今月で終了すると言明し、 さらなる金融緩和策の実施を示唆しなかった。10年債利回りは取引 終了ベースでは6営業日連続で3%を下回った。

FOMCはこの日発表した経済予測で、今年と来年の経済成長率 および雇用の見通しを引き下げた。FRBのバーナンキ議長は記者会 見で、超低金利を「長期にわたり」維持するという文言は少なくとも 2、3回のFOMC会合を意味し、それよりも「はるかに長い」可能 性もあると述べた。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーダー、ショーン・マーフィ ー氏は「議長が量的緩和第3弾の可能性を葬ったことから、相場は上 げを消したようだ」と指摘。「最初に恐れていたほどFOMCはハト 派的ではない。むしろ、ややタカ派的なトーンだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時30分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の2.99%。同年債(表面利率 3.125%、2021年5月償還)価格は1/32下げて101 1/8。

声明では、米国債を6000億ドル購入する計画を今月末までに 完了し、保有証券の償還元本を再投資する既存方針を維持すると言明。

「景気回復は緩やかなペースで進行中だが、委員会が予想してい たよりは幾分かペースが遅い」と指摘した。

8月に追加緩和を示唆との見方

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、簡易ブロ グ「ツイッター」を通じて、FRBが今年8月に追加の金融緩和計画 について示唆する可能性があるとの見解を示した。

同氏は、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるFRBの 年次シンポジウムに言及し、「8月開催の次回のジャクソンホール会 合では、量的緩和第3弾もしくは金利上限に関して示唆する可能性が 高い」と記した。

FOMCはこの日、政策金利であるフェデラルファンド(FF) 金利の誘導目標をゼロから0.25%のレンジにとどめた。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト調査でも87人中86人が据え置きを予 想していた。

FOMCは経済予測で、今年の成長率は2.7-2.9%になると し、4月時点での予想3.1-3.3%から下方修正した。12年につい ては、3.3-3.7%と予想。4月時点では3.5-4.2%と見込んで いた。

失業率見通し

また失業率は11年10-12月(第4四半期)に平均8.6-

8.9%と予想。4月時点では8.4-8.7%と見込んでいた。12年第 4四半期の失業率は7.8-8.2%と予測。4月の段階では7.6-

7.9%との見通しを示していた。

バーナンキ議長はこの日の記者会見で、「状況次第では」追加の 景気刺激措置を取ることはあり得ると述べた。

考えられる手段として、リスクもしくはコストが伴うが追加の証 券購入、あるいは銀行の超過準備に対する金利の引き下げを挙げた。

グリーチャーのマネジングディレクター兼金利取引共同責任者、 ラス・サート氏は「市場はむしろ、バーナンキ議長が発言しなかった ことに反応している」と指摘。「議長が量的緩和第3弾に言及するリ スクがあったが、明確な言及はなく、普段と違わなかった」と述べた。

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