NY外為(17日):ユーロ上昇、ギリシャ救済で独首相が譲歩

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロがドルに対し2週間で最大の上げとなった。ドイツのメルケル 首相がギリシャ危機の解決に向けて欧州中央銀行(ECB)に譲歩し、 協力する姿勢を示したことが手掛かり。

ユーロは主要通貨の大半に対して上昇。メルケル首相はギリシャ 救済について、債券保有者が「相当部分」のコストを負担することを 求めるドイツの姿勢を軟化させる意向を示唆。これにより、域内のソ ブリン債問題が深刻化するとの懸念が後退した。ただ格付け会社ムー ディーズ・インベスターズ・サービスがイタリアの国債格付けを引き 下げ方向で見直すと発表した後は上げを縮小した。

このほかリスク関連通貨が株価上昇を材料に値上がり。一方で、 米国の景気失速懸念からドルは値下がりした。

HSBCホールディングスの為替戦略責任者、ロバート・リンチ 氏は、「最近の動きを受けて、ギリシャや周辺国に関する市場の当面 の懸念がある程度和らいだようだ」と分析。「これはユーロへの下押 し圧力を緩和しただけでなく、リスク選好を多少回復させつつもある」 と加えた。

ニューヨーク時間午後3時37分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.6%高の1ユーロ=1.4288ドル。一時1.4128ドルに下げる場 面もあった。週間では0.4%安。またユーロはこの日、円に対して も一時0.7%下げた後に戻し、ほぼ変わらずの114円38銭。ドル は対円で0.7%値下がりし、1ドル=80円06銭。

ユーロの動き

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指 数によると、ユーロは他の9通貨に対し年初から2.5%上昇。一方 ドルは4.7%下落、円も3.4%下げている。

この日の相場では、商品輸出国の通貨が値上がり。株価が上昇し、 高利回り資産を選好する動きが強まった。株式市場では、MSCI世 界指数が0.5%高となった。

オーストラリア・ドルは米ドルに対し一時の下げを消す展開とな り、0.4%上昇の1豪ドル=1.0604米ドル。主要通貨では南アフリ カ・ランドがドルに対して最も上げ、1.1%高の1ドル=6.7752ラ ンド。

ギリシャ債のデフォルト(債務不履行)が域内の他の高債務国に も広がるとの懸念からユーロは一時下げていた。ただフランスのサル コジ大統領がメルケル首相との会談後、同首相がECBと協力する姿 勢を示したことについて「大きな進展だ」と発言。これを受けて反転 した。

ウィーン方式

メルケル首相は、「目的は民間セクターの自発的ベースの関与で あり、そういう意味で、いわゆるウィーン・イニシアチブは良い土台 だと思われる」と述べた。「これを土台に何かを達成できると考えて いる」と続けた。ウィーン方式では満期債の償還金を投資家が新発債 に再投資する。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのRBCキャピタル・マーケッ ツ部門のシニア為替ストラテジスト、デービッド・ワット氏(トロン ト在勤)は「サルコジ大統領とメルケル首相が域内での進展を示唆し ているのであれば、確かに進展といえる。市場が望んでいたのはそれ だ」と指摘した。

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