日製鋼株が急落、脱原発流れ加速で利益率の低下懸念-海外期待縮小

原子力発電など電力業界向け製品 が柱の日本製鋼所株が急反落し、3カ月ぶりの安値を付けた。東京電 力の福島第1原発事故を受け、ドイツやイタリアなど海外で脱原発の 流れが加速している。利益率の高い原発関連の売り上げが低下すれば、 利益率の低下を招きかねないとの懸念が強い

株価は一時、前日比4.5%安の515円まで下げ幅を拡大。福島の 事故発覚から間もない3月17日以来の安値水準に沈んだ。

13日まで行われた原発の再稼働の是非を問うイタリアの国民投 票では、反対票が9割を超す結果となった。ベルルスコーニ伊首相は、 同国が原子力と決別すべきだ、と語った。ドイツやスイスでも脱原発 政策が打ち出されており、原発関連ビジネスの先行き不透明感が日製 鋼株への売り圧力につながっている。

独立系調査会社TIWの溝上泰吏アナリストは、「メディアで脱原 発に関するニュースの露出が増えている。原発再稼働を公約として当 選したベルルスコーニ首相の決別宣言もインパクトが大きかった」と 指摘。現時点で受注キャンセルといった業績への影響は出ていないが、 「利益率の高い原発事業向けが今後期待されたほど利益を押し上げな いのではないか、との懸念がある」とした。

溝上氏によると日製鋼は、格納器の中の1次系製品では営業利益 が約30%、発電関連の2次系製品は約20%、IT関連の機械系製品は 約10%。「世界シェアトップで、安定して利益率が高い原発向け1次 系製品が伸び悩むと、製品の利益構成が悪化しかねない」と言う。

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