債券上昇、長期金利1週間ぶり低水準-ギリシャ問題や米景気懸念で

債券相場は上昇。長期金利は1週 間ぶりの低い水準に低下した。前日の米国市場で、ギリシャの債務懸 念や経済指標の悪化を受けて株安、債券高となった地合いを引き継ぎ 買いが先行。午後に国内株価が下げ幅を拡大すると相場は一段高とな った。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、「欧州債務危機を背景に、海外市場が乱高下するなか、株式相 場が午後に下げ幅を広げ、為替の円高傾向もあり、先物中心に堅調と なった」と指摘。「日本の景気指標はいったん底入れしたが、ギリシャ の財政問題は過小評価できず、債券相場が下押ししたら買いが入る」 と語った。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回 りは、前日比3ベーシスポイント(bp)低い1.13%で取引を開始。その 後は1.135%で推移していたが、午後に入ると水準を切り下げ、2時 40分前後には4bp低い1.12%に低下。9日以来の低水準を付けた。

中期債も上昇。5年物の97回債利回りは2bp低い0.425%に低下 している。同債利回りは前日に一時0.445%と、新発5年債利回りと して約1カ月ぶりの高水準を付けており、反動の買いが入ったもよう。

日本銀行がこの日実施した国債買い切りオペも相場上昇を支えた との声が聞かれた。大和住銀投信の伊藤氏は、「午前中は残存2-4年 ゾーンが重かったが、国債買い切りオペで銀行勢や証券会社の持ち高 が軽くなったことから買いが入った」と説明した。2年物の305回債 利回りは午後に入り、前日比0.5bp低い0.17%で推移している。

超長期債も買われた。午前は、前日の20年債入札が低調だったこ とから上値が重かったが、午後に買いが膨らんだ。20年物の128回債 利回りは1.895%に低下。新発20年債としては1週間ぶりの1.9%割 れ。30年物の34回債利回りは同4bp低い2.025%まで低下した。

先物は141円台回復

東京先物市場で中心限月9月物は3日ぶりに反発。前日比33銭高 の140円93銭で始まり、その後は140円90銭付近でもみ合っていた が、午後に入って日経平均株価が下落幅を拡大すると買いが膨らみ、 一時は141円09銭まで上昇。中心限月の日中ベースで6日以来の高値 を付けた。結局は47銭高の141円07銭で引けた。

15日の米国債相場は大幅反発。ギリシャへの追加支援をめぐって、 欧州連合(EU)の話し合いが手詰まりとなっているのが背景。ギリ シャ問題への懸念から米株価反落に加え、原油先物が大幅に下げたこ ともあり、安全資産とされる米国債の買いが優勢となった。米10年債 利回りは前日比13bp低い2.97%程度。

ギリシャの緊張続く

ギリシャでは野党がパパンドレウ首相に退陣を要求しているほか、 同首相が進める緊縮策への抗議集会に警察が催涙ガスを使って鎮圧に あたるなど緊張が続いている。ギリシャ、アイルランド、ポルトガル の国債保証コストは過去最高に上昇した。

SMBC日興証券の土井俊祐マーケットアナリストは、前日の米 債高について、ギリシャ問題の深刻化に加えて、「6月のニューヨーク 連銀製造業指数が予想に反してマイナスとなるなど、多くの経済指標 が低調な結果となったことも下支えした」と説明した。ニューヨーク 連銀が発表した6月の同地区の製造業景況指数はマイナス7.8。前月 は11.9だった。同指数ではゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、日銀が今週開催した金融政策決定会合で景気判断を上方修正した ことの前提となっている海外景気の堅調さが怪しくなっていると指摘。 「ギリシャ財政問題や米国の不良債権問題はすぐに解決せず、時間が かかる」とも述べた。

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