米国債:上昇、ギリシャ支援めぐる欧州の調整難航で逃避需要

米国債相場は上昇。2年債利 回りは4月以来の大幅低下となった。ギリシャへの追加支援をめ ぐって、欧州連合(EU)の話し合いが手詰まりとなっているのが 背景だ。

米国債が安全な逃避先として選好されており、10年債利回り は3%を下回った。ギリシャでは野党がパパンドレウ首相に退陣を 要求しているほか、同首相が進める緊縮策への抗議集会に警察が催 涙ガスを使って鎮圧にあたるなど緊張が続いている。ギリシャ、ア イルランド、ポルトガルの国債保証コストは過去最高に上昇した。

バークレイズ・キャピタルの米国債券ストラテジー責任者、 アジェイ・ラジャディアクシャ氏は「短期的に米国債は上昇するだ ろう」と予想。「ユーロ圏の政治的リスクは過少評価できず、欧州 の債務情況に与える影響も大きいだろう。波及リスクも見逃せない」 と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後5時現在、2年債利回りは前日比6ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の0.38%。同年債(表面利率

0.5%、2013年5月償還)価格は1/8上げて100 7/32。

2年債利回りは4月15日以来で最大の下げとなった。10年 債利回りは13bp下げて2.97%。

ギリシャ情勢が緊迫

ギリシャのパパンドレウ首相は内閣を16日に改造し、議会 で信任投票の実施を求めると述べた。同首相は国営NETテレビを 通じてコメントした。

パパンドレウ首相が進める追加賃金削減と増税に抗議し、2 万人の群集が議会を取り囲んだ。これに対し警察は催涙ガスを放っ た。

14日の欧州財務相緊急会合では、ギリシャ救済第2弾をめぐ り、意見調整が難航した。ドイツは新たなギリシャ支援パッケージ のコストの一部を債券保有者に負担させるよう主張しているが、欧 州中央銀行(ECB)はユーロ圏初のソブリン債デフォルト(債務 不履行)に相当する恐れがあると警告した。

CMAによると、ギリシャ債の保証料率である クレジッ ト・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは118ベーシス ポイント上昇の1723bp。ポルトガル債は22bp上げて776b p。アイルランド債は22bp上昇の750bp。

NY連銀景況指数は水面下に

ニューヨーク連銀が発表した6月の同地区の製造業景況指数 はマイナス7.8。前月は11.9だった。同指数ではゼロが景況の 拡大と縮小の境目を示す。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任 者、トーマス・トゥッチ氏は、「景気が予想以上に速いペースで悪 化している」と指摘した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した5月の鉱工業生 産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)は前 月比0.1%上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの 予想中央値は0.2%上昇だった。

この日発表された5月の消費者物価指数(CPI)が予想以 上の伸びを示すと、米国債は上げを削る場面もあった。

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