今日の国内市況:株は続伸・債券下落、ユーロ安-東電またストップ高

東京株式相場は小幅に続伸。米国 の小売売上高の落ち込みが市場予想に比べ小幅にとどまり、自動車や精 密機器など輸出関連株が上げた。原油市況の大幅反発を好感し、石油や 商社など一部資源関連株も堅調。東京電力は連日で制限値幅いっぱいの ストップ高となった。一方、証券や陸運、銀行など内需関連業種に安い 銘柄が目立ち、株価指数の上値は限定的だった。

TOPIXの終値は前日比1.79ポイント(0.2%)高の824.65、 日経平均株価は26円53銭(0.3%)高の9574円32銭。両指数とも マイナスに転じる場面もあった。

米商務省が14日発表した5月の小売売上高は前月比0.2%減少。 自動車落ち込みの影響を受けて11カ月ぶりにマイナスとなったが、予 想中央値(0.5%減)は上回った。14日のニューヨーク原油先物は前 日比2.1%高の1バレル=99.37ドルと大幅反発。業績への不安が後 退する格好で、輸出や資源関連株に買いが優勢となった。

東証1部業種別33指数では輸送用機器、精密、卸売、機械、電機、 石油・石炭製品、ガラス・土石製品など世界景気に敏感な業種を中心に 23業種が高い。東証1部の売買高は概算で19億7790万株、売買代金 は1兆1915億円。値上が銘柄数は825、値下がり663。

東電株が80円高(32%)高の329円と2日連続のストップ高で終 えた。市場全体の売買高、売買代金ではともに連日の首位。政府が14 日、福島第1原子力発電所事故の損害賠償を円滑に進める「原子力損害 賠償支援機構法案」を閣議決定し、原発問題が収束に向かうと期待され ている。東京証券取引所などによる信用取引の委託保証金率引き上げも 需給面のプラス要因で、継続的な買いを集めた。

債券下落-米債安や入札低調で

債券相場は下落。前日の米国市場での債券急落や株高を背景に長期 金利は1週間ぶり高い水準で取引された。この日に実施の20年債入札 結果が低調となったことから、午後には先物や10年ゾーンで売り圧力 が強まる場面があった。

東京先物市場の中心限月の9月物は前日比13銭安い140円65銭 で開始。午前の取引終盤には140円71銭まで下げ幅を縮めた。しかし、 20年債の入札結果発表後は徐々に売りが膨らみ、朝方の安値140円59 銭を割り込むと一時は140円53銭まで下振れ、結局は18銭安の140 円60銭で引けた。

14日の米国市場は株高・債券安。米国では5月の小売売上高が小 幅の落ち込みにとどまり、景気に対する過度の懸念が緩和した。ダウ工 業株30種平均が1万2000ドル台を回復する一方、米10年債利回り は一時11ベーシスポイント(bp)高の3.11%まで上昇(価格は下 落)。取引時間中の上昇率としては1月20日以降で最大となった。

20年利付国債の価格競争入札が低調だったことも、午後の地合い 悪化を招いた。128回債(6月発行)の入札結果は、最低落札価格が 99円50銭となり市場予想を下回った。小さければ好調とされるテー ル(最低と平均落札価格の差)は20銭と前回の10銭から拡大。応札 倍率は2.45倍と2009年12月の入札以来の低い水準となった。

日本相互証券によると、きょう入札された20年物の128回債利回 りは業者間市場では1.925%で寄り付き、その後は1.92-1.93%で推 移。午後3時53分現在では1.93%で取引されている。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回り は前日比1bp高の1.155%と1週間ぶり高い水準で取引を開始。午後 の20年債入札発表後には1.16%を付け、その後も1.155-1.16%で 取引された。

ユーロ下落-ギリシャ支援混迷

東京外国為替市場ではユーロが下落。調整が難航している追加支援 の行方などギリシャ債務問題をめぐる不透明感が改めて意識され、ユー ロは売りに押される展開となった。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.44ドル台半ばから値を切り下げ、 午後には一時、1.4355ドルまで下落。対円では1ユーロ=116円台を 割り込み、一時、115円58銭を付けた。

一方、ドル・円相場は1ドル=80円台前半から半ばでもみ合った。 朝方には落ち込み幅が事前予想を下回った米小売売上高などを手掛かり にドル買い・円売りが進んだ海外市場の流れを引き継ぎ、2営業日ぶり ドル高値となる80円64銭を付ける場面も見られた。しかし、対ユー ロでの円買いとドル買いが交錯するなか、その後は一進一退。日中の値 幅はわずか26銭にとどまった。

14日の財務相緊急会合では、ギリシャ救済第2弾をめぐり、意見 調整が難航した。ドイツは新たなギリシャ支援パッケージのコストの一 部を債券保有者に負担させるよう主張しているが、欧州中央銀行(EC B)はユーロ圏初のソブリン債デフォルト(債務不履行)に相当する恐 れがあると警告。ルクセンブルクのフリーデン財務相は会合後に、ギリ シャ向けの第2次支援策に関する合意が7月にずれ込む可能性があるこ とを明らかにした。

フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(FTD)は、ドイツ案を採 用すれば、ギリシャの銀行を救済するために追加の200億ユーロが必 要になると伝えた。救済を格付け会社がギリシャのデフォルトと判断す れば、同国の銀行が保有する資産700億ユーロ相当が無価値になると 同紙は報じている。

一方、ムーディーズは15日、フランスの銀行最大手BNPパリバ と同業のソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコルの格付けを引き 下げ方向で見直すと発表した。ギリシャへの投資が理由。発表文による と、格付け見直しはギリシャの国債や民間向け債権の保有高のほか、 「考えられ得るギリシャのデフォルトや債務再編の影響と、現在の格付 け水準に矛盾がないか」に重点を置く。

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