債券下落、米国債急落や20年入札低調で-長期金利1週間ぶり高水準

債券相場は下落。前日の米国市場 での債券急落や株高を背景に長期金利は1週間ぶり高い水準で取引さ れた。この日に実施の20年債入札結果が低調となったことから、午後 には先物や10年ゾーンで売り圧力が強まる場面があった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、米国債下落や20年債の入札低調など売り材料が続き、国内債 もさすがに調整局面となったと指摘。ただ、「投資家の押し目買い意欲 が強いことが支えとなって下げ渋った」とも話した。

東京先物市場の中心限月の9月物は前日比13銭安い140円65銭 で開始。しばらく140円60銭台でのもみ合いが続き、午前の取引終盤 には140円71銭まで下げ幅を縮めた。しかし、20年債の入札結果発 表後は徐々に売りが膨らみ、朝方の安値140円59銭を割り込むと一時 は140円53銭まで下振れて、結局は18銭安の140円60銭で引けた。

14日の米国市場は株高・債券安。国内でも日経平均株価が小幅プ ラス圏で推移する中、債券市場は先物中心に売りが優勢となった。

米国では5月の小売売上高が小幅の落ち込みにとどまり景気に対 する過度の懸念が緩和。ダウ工業株30種平均が1万2000ドル台を回 復したほか、主要株価指数は軒並み1%超の上昇を記録した。一方、 米10年債利回りは一時11ベーシスポイント(bp)高の3.11%まで上 昇して、取引時間中の上昇率としては1月20日以降で最大となった。

ただ、当面は現物市場における好需給が見込まれるため、米債相 場が急落したわりに先物6月物の下げは限定的だった。RBS証券の 徐端雪債券ストラテジストは、米国の景気不透明感が和らいだことか ら、国内市場も債券安・株高でのスタートだったしながらも、「10年 債利回りの1.1%台後半では押し目買いが見込まれており、需給面か ら相場が一段と崩れる気配はうかがえない」と話していた。

20年債入札は低調な結果に

20年利付国債の価格競争入札が低調だったことも、午後の市場の 地合い悪化を招いていた。みずほインベスターズ証券の落合昂二チー フマーケットエコノミストは、20年債入札が低調な結果に終わったこ とについて、「国内の政治情勢が不安定なだけに金利が上昇するのを待 つ雰囲気が広がる中、足元の1.9%台前半での購入に二の足を踏む投 資家が多かったのではないか」との見方を示した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、5月以降に続く20年債の

1.9%台前半ではさすがに買い余力が乏しいが、今後1.9%台半ばから 後半に切り上がれば需要が見込まれると言い、「需給悪化への懸念が乏 しいことが入札後の売りを限定させていた」と言う。

20年物の128回債(6月発行)の入札結果によると、最低落札価 格は99円50銭となり、ブルームバーグが調査した市場予想の99円 70銭を下回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価 格の差)は20銭と前回の10銭から拡大。応札倍率は2.45倍と2009 年12月の入札以来の低い水準となった。

日本相互証券によると、きょう入札された20年物の128回債利回 りは業者間市場では1.925%で寄り付き、その後は1.92-1.93%で推 移。午後3時53分現在では1.93%で取引されている。

10年債利回りは1.16%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回り は、前日比1bp高の1.155%と1週間ぶり高い水準で取引を開始。そ の後は同水準で推移していたが、午後の20年債入札発表後には1.16% を付けて、その後も1.155-1.16%で取引されている。

前週にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)が米国経済に 関する慎重な見方を示して、米10年債利回りが3%割れとなると、日 本の10年債利回りは追随する格好で1.12%まで押し下げられた。し かし、前日の米債相場の大幅安などを手掛かりに、この日は売り優勢 の展開となった。

一方、新発10年債利回りが5月18日に付けた大型連休明け後の 高値1.165%を上回ると、投資家からの押し目買いが入るとみられて いる。みずほインベスターズ証の落合氏は、政治情勢が見極めにくい ことなどから様子見姿勢が強いとしながらも、「米金利の上昇や20年 債の入札低調などがあっても、債券が売り込まれなかったことからは、 金利上昇局面における需要の強さを示唆しているようだ」と話した。

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