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ムーディーズ:日本国債格付け「Aa2」を引き下げ方向で見直し

米格付け会社ムーディーズ・イン ベスターズ・サービスは31日、日本政府の自国通貨建てと外貨建ての 債務格付「Aa2」を引き下げ方向で見直しの対象にしたと発表した。 東日本大震災に伴う経済・財政コストの増大に加え、政府による財政 赤字削減の見通しが不透明なことなどを理由に挙げている。

ムーディーズは発表で、震災による経済・財政コストが「当初の 予想をはるかに上回る規模」となり、日本経済が完全に立ち直ってい ない中で、世界的金融危機が財政と経済に与えたマイナスの影響が拡 大しつつある、と指摘。

一方で、政府の取り組みについて「人口動態上の圧力の高まりや、 危機後の不安定かつ不確実なグローバル経済環境において発生しうる 新たなショックに対して、長期的財政再建戦略がぜい弱」との見方を 示した。

ムーディーズのシニアバイスプレジデント、トーマス・バーン氏 は同日午後、都内で記者団に対し、見直しは日本国債の格下げにつな がる可能性の方が高いとの見解を示した。同氏は、格付けの見直しは 3カ月以内に完了すると説明。こうした見直しの大半は格下げといっ た結果につながっていると語った。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストはムーディーズの発表について、日本国債の大半が国内投資家の 需要で賄われているという構図もあって、格下げリスクへの感応度は 引き続き鈍いと指摘。「格付け会社のアナウンスに市場が反応しないの は過去の傾向と変わらない」と話している。

市場が財政健全化促す

日本の債務残高は、国債や借入金、政府短期証券なども含めて 2010年度末(3月末)現在で924兆3596億円と過去最大を更新。前 年度末比で41兆4361億円増加した。財務省が10日発表した。

ムーディーズは31日の発表で、日本政府が掲げる成長率目標では 基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字解消に十分でないと し、「赤字を解消するためには、新たな財政改革が必要となることは必 至」と指摘。政府が進める税制改革も、衆参両議院で与野党勢力が逆 転する「ねじれ国会」では、菅直人首相に対する政治的圧力の高まり で「取り組みが難航するという状況が続く」とみている。

一方で、「日本政府が短中期的に資金調達危機に陥るとは考えてい ない」との見解も示した。

与謝野馨経済財政相はムーディーズの発表後に、「市場が日本政府 に対して財政の健全化を促していると解釈すべきだ。なかでも、税と 社会保障の一体改革を速やかに進めるべきと言っていると考えている」 との認識を示した。内閣府内で記者団に対し語った。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今年2月、日本政府 の「Aa2」の格付けの見通しを安定的からネガティブに変更したと発 表していた。

--取材協力:下土井京子、赤間信行、 Aki Ito、 Keiko Ujikane Editor: Norihiko Kosaka, Joji Mochida, Hitoshi Sugimoto, Takeshi Awaji

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