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東邦亜鉛:今期の亜鉛販売9.4%減へ、東日本大震災で製錬所一時停止

東邦亜鉛が2012年3月期に販売する 亜鉛地金量は11万5000トンと前期比で9.4%減になりそうだ。東日本大 震災で被災した小名浜製錬所(福島県)の操業停止が響くためだ。国内 の生産減少分は海外からの輸入によって対応するが、1割近くの減少は 避けられない見通し。市場関係者からは世界需給への影響を指摘する声 もある。

同社は亜鉛地金の生産で国内3位。山宮邦夫専務は27日、ブルーム バーグ・ニュースとのインタビューで、6月上旬に操業再開予定の小名 浜製錬所での生産停止による影響について月6000トンとし、今期は少な くとも2カ月分の生産減少を見込んでいることを明らかにした。ただ、 同製錬所の復旧作業は「予定通り進んでおり上期中にはフル生産に戻れ ばいい」と言う。

同社の前期の亜鉛地金の生産実績は11万トン。今期の生産計画につ いては、小名浜製錬所や安中製錬所(群馬県)の被災などで未定として いるが、今期連結決算で16億円の営業減益要因になると見込んでいる。

KEBフューチャーズの上級トレーダー(ソウル在勤)、ファン・ イルドゥ氏は、「日本の大震災は最終的に世界の亜鉛地金の供給過剰を 減らす要因となるだろう。再建のために亜鉛めっき鋼板をもっと必要と するだろうから、価格は上昇する可能性がある」と指摘した。

瀬戸内海の契島(広島県)にある同社の鉛地金製錬所に関しては、 被災の影響を受けておらず、むしろ放射線の遮へい材向けとして「原発 メーカーを中心に引き合いがきている」と言う。ただ、山宮専務は「特 需ではあるが業績が大幅に上振れる要素ではない」と付け加えた。

東邦亜鉛は昨年9月に豪CBHを完全子会社化した。CBHが持つ 豪エンデバー鉱山での亜鉛鉱石の生産量を今期は8万5000トンと前期の 6万8000トンから25%増産する計画。12年7月には豪ラスプ鉱山の生産 を始め、10月以降は年間7万-9万トンのフル生産を見込む。

亜鉛鉱石

13年には東邦亜鉛の年間の亜鉛鉱石輸入量24万トンのうち約7割強 を100%子会社から仕入れる見通しだ。山宮専務は「原料の長期安定確 保に加えて、鉱山側に有利なTC(製錬費)をすべて取りこめるダブル メリットがある」と強調した。

一方、CBHを完全子会社化したことで亜鉛価格が10ドル変動した 場合の連結決算の損益への影響額が、2500万円から5000万円へと倍増す る。亜鉛価格が上昇した場合の収益メリットが拡大するが、下落した場 合の損失リスクも全て抱えることになる。同社の今期の亜鉛想定価格は 1トン当たり2187ドル。27日のロンドン金属取引所(LME)の価格は 同2274ドルだった。

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