コンテンツにスキップする

米国債(27日):週間で続伸、欧州危機や米成長減速で安全需要

米国債相場は週間ベースで続 伸。欧州債務危機や米国の経済成長減速で比較的安全とされる米国 債への需要が高まった。

4月の米中古住宅の販売成約が予想以上に減少したことから、 市場ではリセッション(景気後退)の発端となった住宅市場の低迷 が今も続いていると受け止められた。統計発表後、この日の10年 債は下げ幅を縮小した。前日の7年債入札では高い需要が示され、 25日の2年債入札でも応札倍率は約17年ぶりの高水準だった。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャール ズ・コミスキー氏は、「景気は今も活気がなく、成長も鈍い。市場 心理として、米政策金利の据え置きはおそらく長引くと考えられて いる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後2時3分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.07%。同年債(表面利率

3.125%、2021年5月償還)価格は100 14/32。利回りは週間 ベースで8bp下げた。この日は一時3.04%と、昨年12月7日以 来の水準まで低下した。

ブルームバーグが金融機関を対象にまとめた調査によると、10 年債利回りは年末までに3.84%まで上昇すると予想されている。

短縮取引

30日の米国債市場はメモリアルデーの祝日で休場。この日は午 後2時までの短縮取引だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによ ると、5月の米国債投資リターンは1.46%。前月は1.15%。年初 からは2.49%。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニッ ク・スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「利回りが一段と 低下する可能性は否定できないが、最終的に米国債の現在の上昇基調 は終わるだろう」と述べ、「米経済のソフトパッチ(一時的な軟化局 面)は短期で終わるとみている」と続けた。

住宅販売成約指数の大幅減

全米不動産業者協会(NAR)が発表した4月の中古住宅販売 成約指数(季節調整後)は前月比11.6%低下。ブルームバーグがま とめたエコノミスト調査の予想中央値(1%低下)を大幅に上回る落 ち込みとなった。3月は3.5%上昇に修正された。

キャボット・マネー・マネジメントの債券ポートフォリオマネ ジャー、ウィリアム・ラーキン氏は、「これは大きな問題だ」と述べ、 「景気と構造的な失業問題を見ると、その大部分が住宅市場に関連し ていることが分かる」と指摘した。

米商務省が発表した4月の個人消費支出(PCE)は前月比

0.4%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値 は0.5%増だった。個人所得は前月比0.4%増加した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、フェデ ラルファンド(FF)金利誘導目標は2012年第1四半期までに

0.5%に引き上げられると予想されている。同誘導目標は2008年 12月以降、0-0.25%で推移している。

ユーロ圏の景況感は5月、3カ月連続で悪化した。債務危機の 深刻化に加え、商品価格の上昇で景気見通しが暗くなったことが響い た。欧州連合(EU)の欧州委員会が発表した5月のユーロ圏景況感 指数(速報値)は105.5と、前月の106.1(改定前=106.2)か ら低下。

ギリシャの緊縮財政措置、支持得られず

ギリシャのパパンドレウ首相は、新たな緊縮財政措置をめぐり 野党の支持を得ることができなかった。救済資金を受け続け、デフォ ルト(債務不履行)を回避するための取り組みがうまくいかなくなる 恐れが出てきた。

主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)声明は、世界経済の 自律的成長軌道が2008年の金融危機後のリセッション(景気後退) への対応で積み上がった政府債務の削減への道筋を整えるとの考えを 示した。

サミットで欧州首脳は、財政問題に立ち向かう「断固たる決意」 を表明し、オバマ米大統領は赤字削減に向けた「明確で信頼できる」 戦略を約束した。日本は3月の東日本大震災からの復興を進める間、 債務削減へのより緩やかな取り組みが認められた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE