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ギリシャ再編「絶対反対」のECB、本音は妥協の余地も-波紋大きく

欧州中央銀行(ECB)当局者ら はギリシャの債務再編に絶対反対の姿勢を表明しているが、本音は若 干の妥協の余地があるかもしれない。

フランス銀行のノワイエ総裁やドイツ連邦銀行のバイトマン総裁、 ドイツ出身のシュタルクECB理事はギリシャが債務再編すればEC Bはギリシャ国債をオペの担保として受け入れられなくなると発言し ているが、ECB規則の文言は裁量の余地を示唆する。

ECB当局者の強硬発言は1つには、ギリシャに一段の措置を迫 る手段だとシティグループのユーロ圏チーフエコノミスト、ユルゲン・ ミヒェルス氏は指摘する。ギリシャ政府は今週、資産売却加速や歳出 削減の追加策を決めた。「ECBの警告がなければギリシャは追加措置 を発表しなかっただろう」とミヒェルス氏は述べた。

欧州の各国政府がギリシャ債の期限延長に言及する中で、ECB は強硬姿勢を貫いているが、ECBはかつてギリシャ債を受け入れる ためにオペ担保の最低格付け基準を引き下げた実績がある。トリシェ 総裁はその4カ月前、1国のために規則を変更することはしないと言 明していた。

ECBが受け入れる可能性のある選択肢の1つは欧州連合(EU) の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)が言及 した「ウィーン・イニシアティブ」だ。これは満期を迎えるギリシャ 債の既存債権者に借換債を買わせるというもので、2009年の国際通貨 基金(IMF)によるハンガリーなどの救済で採用された。

純粋に自発的

ミヒェルス氏はこれが、「ECBにとって恐らく受け入れ可能な選 択肢だろう」と述べた。

ただ、これには格付け会社によって「デフォルト(債務不履行)」 と認定されるリスクがある。それを避けるためには合意が「純粋に自 発的」でなければならないと、米格付け会社ムーディーズ・インベス ターズ・サービスの欧州クレジット責任者、アラステア・ウィルソン 氏は指摘する。「強制や圧力の要素があったと判断すれば、われわれは デフォルトと認定するだろう」と同氏は述べた。

そうなればギリシャ国債はECB担保として不適格になるとされ るが、規則はそうした措置が「一部のケースで妥当である可能性があ る」とややあいまいな表現だ。

ギリシャの銀行は資金調達をECBに依存している。ドイツ銀行 のエコノミスト、ジル・モーク、マーク・ウォール両氏は20日のリポ ートで、「ECBの債務再編『絶対反対』には限界があるだろう」とし て、「『妥協なし』の姿勢を貫けば、その結果発生したギリシャ銀行危 機の責任を負わなければならない。事態をさらに悪化させた張本人に はなりたくないだろう」と分析した。

影響

影響はギリシャの銀行のみにとどまらない公算だ。シティはギリ シャ債のほぼ3分の1に相当する1090億ユーロ(約12兆6100億円) を投資信託や年金基金、政府系ファンド、保険会社を含む外国のノン バンクが保有していると概算している。

ギリシャ国内の金融機関が保有しているのは約29%だという。ま た債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)は、ECBとユーロ圏の中銀がギリシャ債から 1300億ユーロのリスクを抱えていると試算した。

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