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ソニー:前期純損失2600億円、繰延税金資産引当で-営業益は確保

ソニーは23日、前期(2011年3月 期)の連結純損益(暫定値)が2600億円の赤字になったもようだと発 表した。従来は700億円の黒字に転換する予想だった。最終赤字は3 期連続で、米映画大手コロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメン トの営業権の償却費用などで約2934億円の赤字となった1995年3月 期以来の赤字額となる。

最大の理由は、本体のエレクトロニクス事業を中心とする繰延税 金資産に対して約3600億円の評価性引当金を計上したため。さらに、 東日本大震災で一部工場が稼働を停止したことで発生した費用と、支 払生命保険金の引当金計上なども響く。

営業利益は前期比6.3倍の2000億円と、大幅円高や震災の影響に も関わらず、従来予想の水準を確保した。売上高は、従来予想の7兆 2000億円から、前の期比微減の7兆1810億円に小幅減額した。

記者会見した加藤優最高財務責任者(CFO)は、前期の赤字は 「本社負担の研究開発費用や、収益悪化で累損のたまった事業に対し、 会計基準に沿って繰延税金資産の評価性引当金を計上したもの」で、 現金支出は伴わないなどと説明。

各事業の状況については、テレビ事業は赤字が続いているが、ゲ ーム事業や携帯事業のソニー・エリクソンが黒字基調になったことな どで、「本業の営業利益は着実に改善している」と述べた。

営業益2000億円に自信

震災が業績に与えた影響は、前期は売上高で約220億円、営業利 益で約170億円の押し下げ要因。加藤氏は、震災が今期(12年3月期) の売上高に約4400億円、営業利益は約1500億円の影響をもたらすと の試算を示した中で、「その影響を加味しても全社の営業利益は前期並 みの2000億円を確保できる」と自信を示した。生産・事業活動のサプ ライチェーン(供給網)は「下期以降にかなり回復するだろう」とみ ている。

4月下旬に発生した、ゲームコンテンツなどの配信サービス「プ レイステーションネットワーク(PSN)」が外部から不正侵入を受 け、顧客情報が流出した事件の関連費用は約140億円と見積る。加藤 氏は、クレジットカード情報の不正利用などで「実際に被害が出たと いう報告は現時点ではない」と説明し、今期の純損益は黒字を計上で きる見込みとした。

SMBC日興証券の三浦和晴アナリストは、会社側の今期の営業 利益予想が前期の2000億円並みとしたことについて「どの程度保守的 に見積もってこの数字を出したのかは分からないが、震災の影響を考 えたとしても水準が低すぎる」と述べた。前期純損益が巨額赤字とな るのは引当金計上によるものとはいえ、「厳しいことに変わりはない」 との見方を示した。

--共同取材 駅義則、安真理子 Editors: Tetsuki Murotani Hidekiyo Sakihama

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