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スター運用者から農家に転身のバーチ氏、欧州脅かす乾燥天候と闘う

英国で約10年間にわたって最高 水準の成績を誇る天然資源関連株の運用者だったグラハム・バーチ氏は 自身の農地の春作の作況のことが気になっている。

バーチ氏は18日の電話インタビューで、英南西部のドーセット州 にある広さ2300エーカー(約931ヘクタール)の農場のトウモロコシ や牧草が既に高温と水不足の影響を受けていると述べた。昨年末に作付 けした小麦や菜種のイールド(単収)低下を防ぐには、すぐに雨が降る 必要があると語る。

欧州の農地は過去30年以上で最も乾燥した天候に見舞われている。 一部の地域で3月に同月としてはこれまでで最も乾燥した天候を記録し たことを受け、欧州連合(EU)は今週、少なくとも6カ国で土壌水分 が「危機的な状況」にあるとの見方を示した。農業調査会社は18日、 フランス産軟質小麦の生産高は12%、ドイツ産は7.2%、それぞれ減 少するとの見通しを示した。

バーチ氏は「一部では干ばつが深刻な状況になっているため春作が 心配だ。向こう数週間に雨が降ればいいのだが」と話す。

バーチ氏は資産運用最大手の米ブラックロックで勤務していた 2009年、長期休暇を取得し10年に正式に退社した。当時、同氏のチ ームの運用資産は363億ドル(現在のレートで約2兆9700億円)に上 った。調査会社モーニングスターのデータによると、バーチ氏が運用し ていた「ブラックロック・ゴールド・アンド・ゼネラル・ファンド」の 運用成績は約10年間、英国を拠点とする投資信託858本のうちトップ を誇り、リターン(投資収益率)の平均は年率約23%だった。

穀物の被害

バーチ氏がブラックロックを去ってから1年以内に欧州やカナダで 干ばつや洪水などにより穀物への被害が拡大し、ロシアは穀物輸出を禁 止する措置を取った。小麦相場は最大90%、トウモロコシは87%、そ れぞれ高騰。国連の食料価格指数は過去最高水準に達し、世界の穀物在 庫が取り崩された。

気象条件は今年も穀物生産を脅かしており、中国では干ばつが発生 し、米カンザス州の気温はセ氏約38度に達した。欧州の農業調査会社 が収穫高の減少を予想したため、シカゴの小麦相場は18日、一時

7.6%上昇した。

バーチ氏はそれでも、運用者時代より今の心配事の方がましだと言 う。「ファンドマネジャーとしてのストレスは過酷だった。来る日も来 る日も株式投資で利益を挙げなければならない。農業は体を使い経験が 物を言う挑戦だ」と述べた。

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