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ユーロ一段安、債務問題や政治的不透明感重し-ドル・円は81円後半

東京外国為替市場では、ユーロが 対ドルで1ユーロ=1.40ドル台前半まで水準を切り下げ、約2カ月ぶ りの安値を付ける場面も見られた。ギリシャを中心とした南欧諸国の財 政問題に加え、ドイツとスペインでの選挙結果を受けた政治的不透明感 を背景にユーロ売りが活発化した。

ユーロ・ドル相場は午後の取引で一時1.4042ドルと、3月28日 以来のユーロ安値を更新。午後3時45分現在は1.4073ドル近辺で取 引されている。ユーロ・円相場も午後に一時1ユーロ=114円86銭と、 4営業日ぶりの水準までユーロが下落。同時刻現在は115円08銭付近 で推移している。

バークレイズ銀行の逆井雄紀FXストラテジストは、ギリシャの格 下げやスペインの地方選挙での与党敗北などの「売り材料」が重なり、 ユーロ安の展開になったと説明。また、各国の経済指標には「市場にあ る世界景気の減速懸念を払しょくするような強さはない」といい、欧州 の債務懸念も相まって「リスクを取りづらい」状況下で、「様子見をし たい投資家はドルを買いたくなってしまう」面もあると説明している。

こうしたリスク回避の動きを背景にドルは主要16通貨に対してほ ぼ全面高となり、対円でも一時1ドル=82円03銭と、2営業日ぶり の高値を付ける場面もみられた。ただ、82円台では国内の実需関連を 中心としたドル売り需要が多いとの指摘もあり、ドルの上値は限定され た。午後3時45分現在は81円80銭付近で取引されている。

欧州で政治的不透明感広がる

ドイツではメルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU) がブレーメン州での州議会選挙で第3党に後退。みずほ証券の林秀毅グ ローバルエコノミストは、これを受けて、「ギリシャやポルトガルを税 金で助けるなという国民の声をある程度聞かざるをえなくなるだろう」 と指摘する。

また、スペインで22日に行われた地方選挙では、同国内務省が明 らかにした開票率99%の段階での得票率が、与党社会労働党が28%と、 野党国民党の38%を下回った。地方での政権交代に伴い、新たに就任 する当局者が前任者の報告以上の財政難を明らかにする可能性があり、 スペインの財政赤字をめぐる懸念が再燃しかねない情勢だという。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の塚田常雅グループマネージャーは 域内債務国の救済に絡んで「政治的に国民に痛みを要求しづらい」状況 になると捉えられ、政治面での不透明感が加わったとして、「ユーロ売 りに再度拍車が掛かる」格好になったと説明している。

6月5日に総選挙を控えたポルトガルでは、世論調査で、最大野党 の社会民主党(PSD)が与党・社会党に対し支持率でリードを拡大し ている。同国紙のプブリコが報じた。

欧州債務問題の波及懸念

一方、格付け会社フィッチ・レーティングスは20日、ギリシャの 格付けを「B+(シングルBプラス)」と、従来の「BB+(ダブルB プラス)」から引き下げた。さらに、一段の引き下げ方向で見直す「ウ ォッチネガティブ」に設定。また、「既発債の償還期限が延長されれば 、フィッチはそれをデフォルトイベントと見なし、ギリシャ及びその債 務をそれに沿った格付けとするだろう」と説明した。

欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、バイトマン・ドイ ツ連邦銀行総裁は20日、ハンブルクでの会議でギリシャが債務の償還 期限を延長した場合、ギリシャ債はECBのリファイナンスオペの担保 として不適格になる可能性があると発言した。

また、ノルウェー外務省がウェブサイトに掲載した19日付の声明 によると、同国とアイスランド、リヒテンシュタインの3カ国は、欧州 経済領域(EEA)を通じてギリシャに提供する助成金2億3500万ノ ルウェー・クローネの支払いを差し止めた。

さらに、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) は、イタリアの信用格付けのアウトルック(格付け見通し)を「ステー ブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。

みずほ証の林氏は「イタリアやスペインまで危機が波及するとなる と大問題だ」とし、6月の欧州連合(EU)首脳会議に向けて、欧州金 融安定ファシリティー(EFSF)の拡充なども含めてマーケットに説 明できるかがより問われると指摘している。

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