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東電のCDSが過去最大に、清算事由を警戒-原油流出のBP超える

クレジット・デフォルト・スワップ (CDS)市場で、福島第一原子力発電所で事故を起こした東京電力の 社債保証コストが過去最大となった。市場参加者の関心は、債務が履行 できない状態に当たるとみなされるような金利減免や債権放棄の有無 に加え、政府の賠償支援に対する明確な姿勢に集まっている。

CMAによると、東電の5年物のCDSはニューヨーク時間の19 日の気配値中値で、前日比221ベーシスポイント(1bp=0.01%)拡 大し、これまでで最大の726bpに達した。メキシコ湾原油流出事故で 2010年6月29日に577.5bpを付けた英石油化学会社、BPの保証コ ストを初めて超えた。

政府が13日に東日本大震災を受けた東電賠償スキームを発表した 際、枝野幸男官房長官は銀行の債権放棄が前提になるとの見解を表明。 これを機に東電のCDSは12日の212.5bpから約1週間で3倍以上に 急拡大。BNPパリバ証券の中空麻奈氏は「政府の不用意な発言でデフ ォルトリスクがちらついた」と拡大の理由を指摘した。

米格付け会社ムーディーズの岡本賢治シニア・アナリストは19日、 仮に東電向け融資の金利減免が行われた場合、「発行体の債務償還能力 に支障があるとみなしデフォルト方向に格下げを検討する」と述べた。 金利減免は経営難に陥った会社が銀行に依頼して実施。今回、枝野官房 長官が示唆した債権放棄の手前の対応となることが多い。

東電の清水正孝社長は20日の決算会見で、主要取引銀行などに対 して「できるだけ低い金利で融資をお願いしたい」と支援を要請する方 針を表明した。これについてBNPパリバの中空氏は借り換えなど新規 融資の形で、既存融資の金利減免でなければ、CDS清算事由の「トリ ガーにはならない」とみている。

一方、全国銀行協会の奥正之(三井住友フィナンシャルグループ会 長)は19日、東電向け融資について「原子力賠償法の仕組みは国と電 力事業者の両者が賠償をどう分担していくか解決するもので、債権放棄 の話が出てくるのはどうしてか。放棄に至らないと理解している」と述 べた。金利減免も「頭にない」としている。

東電の2011年3月期の連結純損失は1兆2473億円に達し、日本の 事業会社として過去最大の赤字を記録した。今期の見通しは開示しなか った。BNPパリバの中空氏は、「政府が明確なビジョンを持ち、デフ ォルトリスクを払拭」しない限り、CDSスプレッド拡大は抑えられな いという。

取材協力:中山理夫 --Editor:Kazu Hirano Tetsuzo Ushiroyama

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 占部 絵美 Emi Urabe +81-3-3201-7547 eurabe@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +813-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Teo Chian Wei +81-3-3201-3623 cwteo@bloomberg.net

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