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日銀:金融政策は現状維持、西村副総裁は基金増額の再提案見送り

日本銀行は20日午後、同日開いた 金融政策決定会合で、金融市場調節方針を現状維持とすることを全員 一致で決定したと発表した。前回会合で資産買い入れ等基金の5兆円 増額を提案した西村清彦副総裁は再提案を見送った。

政策金利は「0-0.1%」の据え置きは全員一致で決定した。資産 買い入れ等基金のうち、長期国債や社債、指数連動型上場投資信託(E TF)、不動産投資信託(J-REIT)など金融資産買い入れは「10 兆円」、固定金利方式の共通担保オペは「30兆円」、長期国債の買入額 は「月1.8兆円」にいずれも据え置いた。

19日発表された1-3月の実質国内総生産(GDP)成長率は前 期比0.9%減、前期比年率3.7%減と、ブルームバーグ調査による予想 中央値(それぞれ0.5%減、1.9%減)を下回った。個人消費が前期比

0.6%減と2期連続のマイナス、設備投資が同0.9%減と6期ぶりのマ イナスとなったほか、輸出から輸入を差し引いた純輸出が同0.2ポイ ント、在庫が同0.5ポイント全体を押し下げた。

日銀は会合後に公表した声明文で「わが国の経済は、震災の影響 により、生産面を中心に下押し圧力の強い状態にある」と指摘。「震 災による供給面の制約を背景に、生産活動は大きく低下している。こ の結果、輸出は大幅に減少し、また、企業や家計のマインド悪化の影 響もあって、国内民間需要も弱い動きとなっている」としている。

特に下振れリスクを意識

先行きは「当面、生産面を中心に下押し圧力が強い状態が続いた 後、供給面での制約が和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、海外 経済の改善を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた 需要の顕在化などから、2011年度後半以降、緩やかな回復経路に復し ていく」と予測。その上で、リスク要因として「特に、当面は震災の 影響を中心に、下振れリスクを意識する必要がある」としている。

シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは会合前、「 金融政策は据え置きが予想される。前回会合以降、日銀の景気・政策 判断に大きな影響を及ぼすような新たな材料は出ていない。西村副総 裁が再び追加緩和を提案するかどうかが注目される。ただ、その場合 でも可決される可能性は低いだろう」とみていた。

ドイツ証券の山下周債券ストラテジストは会合前、「4-6月は 民間在庫の回復に加え、復旧工事が政府部門の支出を押し上げるだろ う。一方、純輸出はマイナス寄与する可能性が高く、設備投資の先送 りも懸念される。プラス成長に転じるのは7-9月から」と指摘。「 日銀は今後追加緩和策を検討していると想定しているが、タイミング は政府の第2次補正予算次第であり、今会合は無風」とみていた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは「需要側の最たる下振 れリスクである企業の設備投資意欲が統計で明らかになってくる6、 7月に追加緩和を決定する可能性が高い」とみる。第一生命経済研究 所の熊野英生主席エコノミストは「日銀の国債引き受けという議論が 現実味を帯びると、日銀は防衛的に追加緩和に動くだろう」という。

議事要旨は6月17日に公表される。日銀は午後3時に半年に1度 の経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表。白川方明総裁が午 後3時半に記者会見する。

金融政策決定会合、金融経済月報等の予定は以下の通り。

会合開催       総裁会見 金融経済月報  議事要旨
6月13、14日   6月14日     6月15日    7月15日
7月11、12日   7月12日     7月13日    8月10日
8月4、5日   8月5日     8月8日    9月12日
9月6、7日   9月7日     9月8日    10月13日
10月6、7日   10月7日     10月11日    11月1日
10月27日       10月27日      -         11月21日
11月15、16日  11月16日     11月17日  12月27日
12月20、21日  12月21日    12月22日    未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情 勢の展望(展望リポート)は10月27日。議事要旨は午前8時50分。

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