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債券反発、米債高や現物債に投資家の買い-日銀決定会合の影響限定的

債券相場は反発。長期金利は4日 ぶり低水準を付けた。前日の米国債相場が弱めの米経済指標を受けて 反発したことや国内景気の先行き懸念を背景に投資家から現物債に幅 広い買いが入った。一方、日本銀行は、金融政策の現状維持を全員一 致で決定したが、相場への影響は限られた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、債券相場が堅調に推移していることについて、「残存5-7年 ゾーンの現物債には銀行勢の買い、超長期債には生命保険や年金基金 などから押し目買いが入っているもようだ」と説明した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の314回債利回 りは前日比1.5ベーシスポイント(bp)低い1.135%で始まった。午 前は1.13%で推移したが、午後に入ると徐々に水準を切り下げ、一時 は4bp低い1.11%と16日以来の低い水準を付けた。その後は低下幅 を縮め、午後2時50分前後からは2.5bp低い1.125%で推移している。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「米債 高のほか、国内できのう発表された国内総生産(GDP)が悪い数字 だったことも支援材料となっている。景気の後退局面が視野に入り、 債券には買いが入りやすい」と述べた。

中期や超長期債も堅調。5年物の96回債利回りは一時2bp低い

0.425%に低下し、16日以来の低水準を付けた。20年物の126回債利 回りは4.5bp低い1.90%、30年物の34回債利回りは5bp低い2.02% までそれぞれ下げた。大和住銀投信の伊藤氏は、「超長期ゾーンのスワ ップ金利低下につれて、現物の超長期債も買われている」と言う。

債券先物反発

東京先物市場で中心限月6月物は反発。前日比15銭高の140円 72銭で始まり、直後に日中安値となる140円65銭を付けた。その後 は徐々に水準を切り上げ、午後に入ると140円90銭まで上昇し、16 日以来の高値を記録。結局は25銭高の140円82銭で引けた。

19日の米国債相場は小幅反発。弱めの指標が相次ぎ、金融当局が 借り入れコストを低水準で据え置くとの観測が強まった。米10年債利 回りは前日比1bp低下の3.17%程度。全米不動産業者協会(NAR) が19日に発表した4月の中古住宅販売件数は予想外の減少となり、5 月の米フィラデルフィア連銀管轄地区の製造業景況指数は前月から大 幅低下となった。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは、5月の米フィ ラデルフィア連銀の製造業景況指数が大幅悪化したことを受けて、「米 製造業の生産活動の変調は、日本の製造業の生産活動停止が各国に影 響し始めた」と分析。今後、台湾など東アジアの製造業にも日本の震 災の影響が及べば、世界的な景気回復への疑念が市場で強まる可能性 があると指摘した。

一方、国内で19日に発表された1-3月期の実質GDPの1次速 報値は、東日本大震災の影響を受けて、前期比0.9%減、年率3.7%減 と2期連続マイナスとなった。ブルームバーグ調査の予想中央値(前 期比0.5%減、年率1.9%減)を下回った。

日銀会合、資産買い入れ増額提案なし

日銀は20日、同日開いた金融政策決定会合で、金融市場調節方針 を現状維持とすることを全員一致で決定したと発表した。前回会合で 資産買い入れ等基金の5兆円増額を提案した西村清彦副総裁は再提案 を見送ったが、債券相場の反応は限定的だった。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、「日銀の金融政策現状 維持決定に意外感はなく、織り込み済み。西村副総裁の提案があって も一人だけだと否決されることは分かりきっていた。相場への影響は ないだろう」と語った。

日銀総裁定例会見

白川方明日銀総裁は20日午後、会合後の定例会見で、「電力需給 はやや長い目でみると、楽観できる状況でない。浜岡原発の停止を踏 まえると、その他の原発の点検後の再開をめぐり不透明感が幾分増し ているように感じられる」と述べた。

こうした中、日本証券業協会が20日発表した4月の公社債投資家 別売買高(短期証券を除く)によると、都市銀行が3兆6749億円の売 り越しとなり、5カ月ぶりに売り越しに転じた。一方、地方銀行は1 兆6752億円、生保・損保は1兆1592億円、外国人投資家は1兆7009 億円とそれぞれ買い越した。

JPモルガン証の山脇氏は、4月に都銀が大幅売り越したことに ついて、「例年通り期初の売却が確認された。都銀の売りは、幅広い投 資家の買いによって吸収されたとみられる」と指摘した。

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