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日銀CP買い入れを増額、応札意欲が旺盛-TB入札は需要に一服感

日本銀行はこの日、資産買入基金 によるコマーシャルペーパー(CP)の買い入れ入札を前回より増額 して通知した。金融機関の応札意欲が旺盛な上、日銀も買い入れ残高 を積み上げていく必要があるためだ。CPの発行金利は一段と低下し た。

日銀はこの日、CP買い入れ入札4000億円を通知した。東日本大 震災以降に実施された3回の入札は各3000億円だった。複数の市場関 係者によると、案分落札利回りは0.114%になったもよう。前回4月 22日の入札は0.113%、4月14日は0.115%だった。

東短リサーチの関弘研究員は、買い入れ入札の増額について、「金 融機関の応札需要が底堅い上、日銀も目標2兆円に向けて積極的に残 高を積み上げていく意図があるのではないか」と言う。

日銀は震災直後の3月14日の金融政策決定会合で、資産買入基金 を5兆円から10兆円に拡大。CP買い入れ額も5000億円から2兆円 に増やし、2012年6月末をめどに増額を完了するとしている。

短資会社の担当者によると、ディーラーも日銀の買い入れに応札 するため積極的にCPを引き受けており、発行金利を押し下げる要因 になっているという。

利ざやは薄い

証券保管振替機構によると、5月13日時点のCP発行残高は14 兆7382億円だった。日銀による買い入れ予定額2兆円は、現在の発行 残高の13.5%程度に相当し、市場における需給を引き締める要因にな る。

もっとも、東短リサーチの関氏は、「日銀の買い入れ上限額に到達 する前に売却したいとの思いが今回の応札金利の上昇につながってお り、発行金利との間の利ざやは薄くなっている」と話した。日銀は発 行体1社あたり1000億円までCPを買い取るが、買い入れ残高が発行 額の25%に達した場合は買い入れ対象から外される。

この日はa-1格付けのリース会社が3カ月物を0.12%台前半、 4カ月物を0.12%台半ばで発行。1カ月前に比べて0.5ベーシスポイ ント(bp)前後低下している。オペの案分落札利回りとの格差は1bp 以下にとどまっている。

a-1プラス格付けの鉄鋼会社の6月償還物は0.116-0.12%、 その他のメーカーでも発行金利が0.117-0.119%程度で、日銀に売却 しても利ざやを確保するのは難しい水準だ。

TB落札利回り小幅上昇

財務省が実施した国庫短期証券(TB)3カ月物入札は、前回に 比べて落札利回りが小幅上昇した。TBの発行が続く一方、当座預金 の減少で銀行など投資家の需要が一服しているとの見方が出ており、 前回のような積極的な応札は一段落している。

TB194回債の入札結果は、最高利回りが0.1043%、平均利回り は0.1023%と、2006年4月以来の低水準を記録した前回の水準(最高

0.1023%、平均0.1007%)を上回った。入札後は0.1023%から0.103% で取引された。

国内証券のディーラーは、前回の入札は過熱し過ぎていた上、銀 行の需要も最低限にとどまっているのではないかと言う。あすに2カ 月物(発行額3兆円)入札も控えており、ディーラーの在庫が積み上 がりやすい面もある。

複数の証券会社によると、発行額4.8兆円の4割に相当する2兆 円程度を証券会社1社が落札した。証券会社を通さない落札先不明分 は8000億円程度だった。

当座預金残高が徐々に減少しているため、資金を過度に積み上げ ていた超過準備の調整が進んでいる。足元の同残高は28兆-29兆円 程度と、1週間前に比べて2.4兆円程度減っている。

レポ(現金担保付債券貸借)は0.10%付近で低位安定しているが、 無担保コール翌日物の加重平均金利はやや強含んでいる。この日の全 店共通担保オペ1.4兆円(20日-6月10日)の応札額は1兆185億 円で札割れ。3カ月物の基金オペ8000億円の応札倍率は2.54倍と前 回の3.05倍から低下した。

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