コンテンツにスキップする

5月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:円が対ドル3週ぶり大幅安、白川総裁発言で-81円台

ニューヨーク外国為替市場では、円がドルに対してほぼ3週間ぶ りの大幅安。日本銀行の白川方明総裁が日本経済は「大変厳しい」と 述べたことから、金融政策が一段と緩和的になる可能性があるとの見 方が強まった。

ユーロは大半の主要通貨に対して上昇。株価や商品が下げ渋った ことが手掛かりにされた。一方、円は主要16通貨すべてに対して値 下がりした。英ポンドはドルに対してほぼ1カ月ぶりの安値から上昇。 英国のインフレ率が2008年以来の高水準に達し、イングランド銀 行(英中央銀行)への利上げ圧力が強まったことが背景。

為替取引を手掛けるテンパス・コンサルティングのストラテジス ト、ジョン・ドイル氏は「円は白川総裁のコメントに反応して引き続 き売られている」と指摘。「日本経済はかなりの苦境に陥っているた め、総裁のこの日の発言は円売りの絶好の口実とされた。円は最近見 られた安全逃避を目的とした資金の流れで買われ過ぎていた」と述べ た。

ニューヨーク時間午後4時8分現在、円はドルに対して前日比

0.7%安の1ドル=81円36銭(前日80円79銭)。一時は

1.2%安と、日中取引では4月27日以来の大幅下落となった。ユー ロはドルに対して0.5%高の1ユーロ=1.4223ドル(同1.4156 ドル)。円はユーロに対して1.2%安の1ユーロ=115円72銭 (同114円37銭)。

英インフレが加速

英ポンドはドルに対して0.3%高の1ポンド=1.6245ドル (前日1.6192ドル)。一時は1.6147ドルと、4月5日以来の安 値を付ける場面もあった。ポンドはユーロに対して0.1%安。

英政府統計局(ONS)がこの日発表した4月の消費者物価指数 は前年同月比4.5%上昇。3月は4%上昇だった。ブルームバー グ・ニュースがエコノミスト32人を対象にまとめた調査の中央値で は、4.1%上昇が見込まれていた。

イングランド銀行の政策金利は2009年3月以降、0.5%に据 え置かれている。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は前日からほぼ変わらず。一時は0.5%上昇する場面もあ った。先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通 貨指数によると、ドルは過去1カ月に1.1%上昇し、年初からの下 げ幅が4%に縮小した。

「大変厳しい」

日銀の白川総裁は17日の参院財政金融委員会で、日本経済は東 日本大震災に直面し、「大変厳しい」と述べた。また、デフレからの 脱却と成長軌道への復帰が「大変大事な課題」と語った。政府は同日 の閣議で、震災後の新たな経済財政運営の方針を示し、金融・資本市 場や為替市場を引き続き注視していくと述べた。日銀に対しては適切 かつ機動的な金融政策運営により経済を下支えするよう期待している と指摘した。

円は今年に入って4.4%安と、ブルームバーグ相関加重通貨指 数の中で最大の下落。ユーロ圏の政策金利が1.25%、オーストラリ アは4.75%であるのに対し、日本は0-0.1%となっている。

ユーロはこれより先、ドルに対してもみ合う場面もあった。ユー ロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長はブリュッセルで 記者団に対し、同会合がギリシャの債務返済計画の延長をめぐって債 券保有者と協議するとの考えを初めて打ち出したことを明らかにした。

「返済延長」を検討

ユンケル議長は、国有資産の売却加速と一段の歳出削減を盛り込 んだ支援パッケージの一環として、欧州がギリシャに対し債務減免を 伴わない「リプロファイリング(返済延長)」を検討する可能性があ ると述べた。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏 (ニューヨーク在勤)は「ユーロ圏では債務再編は起こらないとする 当局者がいる一方、再編は必要だと主張する当局者もおり、必要な措 置に関して意見が分かれているのは明白だ」と指摘。「ギリシャの債 務状況は持続不可能だ。しかし、無秩序な再編が実施される確率は非 常に低く、秩序ある再編は当面はないというのが当社の見解だ」と述 べた。

◎米国株:下落、1カ月ぶり安値-HPの見通し下方修正を嫌気

米株式相場は下落。主要株価指数は1カ月ぶり安値に下げた。パ ソコンメーカーのヒューレット・パッカード(HP)が業績予想を引 き下げたほか、住宅着工件数が前月比で大幅減少を記録したことから、 景気回復に対する楽観が後退した。

HPが示した利益予想はアナリスト予想には及ばなかった。消費 者のパソコン離れが背景にある。住宅建設のD.R.ホートンやKB ホームを中心に住宅建設株が売られた。4月の米鉱工業生産は前月比 でプラスの伸びが見込まれていたが、予想に反して横ばいだったこと が嫌気され、建機大手キャタピラーや日用品・工業品メーカーの3M が売られた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げ1328.98。過 去3営業日の下げは1.5%。ダウ工業株30種平均は68.79ドル (0.6%)安の12479.58ドル。

フィラデルフィア・トラストのリチャード・シーシェル最高投資 責任者(CIO)は、「今のところ、株式相場を押し上げるような材 料があまりないだけだ」と指摘。「住宅市場の改善が遠のき、一部大 手企業は予想を引き下げている。欧州の債務危機は市場参加者の頭か ら離れない。年初は良い滑り出しだったが、今は投資家がディフェン シブにやや傾いており、上げ一服になっている」と続けた。

サプライズ指数

ギリシャの債務再編の可能性に対する懸念や市場予想を下回る経 済統計に反応し、S&P500種は先週まで2週連続安。下げは今週 も続いている。シティグループの米経済サプライズ指数は5月に入り マイナス圏となっており、水準は昨年8月以降で最低となっている。 サプライズ指数は、市場予想に対する経済指標の上振れ・下振れを示 す。

この日のS&P500種は過去50日平均(1323.74)を上回っ て取引を終了したが、一時は割り込む場面もあった。チャート分析の アナリストによると、終値がこの水準を下回ると株価は一段安の可能 性があると指摘する。

3月16日に記録した年初来安値からS&P500種は5.7%値 を戻したが、2009年に記録した安値からS&P500種の上げをけ ん引してきた商品や金融、テクノロジー株のパフォーマンスはこれを 下回っている。

ギリシャをめぐる協議

欧州諸国の財務相らは初めて、ギリシャ国債の保有者と償還期限 延長について協議する案を提起した。昨年合意した1100億ユーロ の救済策がギリシャの財政再建をもたらさなかったことを認めた。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)は16日遅く、国有資産の売却加速と一段の 歳出削減を盛り込んだ支援パッケージの一環として、欧州がギリシャ 債の債務減免を伴わない「リプロファイリング(期限延長)」を検討 すると言明した。

債券ファンド大手、米パシフィック・インベストメント・マネ ジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(C EO)は、ストロスカーン国際通貨基金(IMF)専務理事が逮捕さ れたことで、ギリシャのデフォルト(債務不履行)や債務再編のリス クが高まったとの見方を示した。

エラリアンCEOはブルームバーグテレビジョンとのインタビュ ーで、欧州各国の「行動のコーディネーターとしてストロスカーン容 疑者が演じていた役割の重要さを過小評価すべきではない」と述べた。

HP、住宅建設株が安い

HPは7.3%安。通期売上高の自社見通しは1290億-1300 億ドル、一部項目を除く1株当たり利益予想は5ドル以上。ブルーム バーグがまとめたアナリスト予想平均では、売上高が1303億ドル、 1株当たり利益が5.24ドルだった。

S&P500種に採用される住宅建設銘柄の株価指数は0.8%安。 構成12銘柄のうち10銘柄が下落した。

◎米国債:10年債利回り、年初来の低水準-景気改善に足踏み兆候

米国債相場は上昇。10年債利回りは年初来の低水準を付けた。 4月の住宅着工件数が予想外に減少したほか、鉱工業生産が横ばいと なったことが手掛かり。

借り入れが上限に達しないよう当局が発行を減らす中で、財務省 短期証券(TB)のレートは過去最低付近にとどまった。連邦債務は 前日に上限を超えた。財務省はこの日、1カ月物TB(発行額280 億ドル)を入札。最高落札利回りは0.025%。発行額は4月には 400億ドルとなる週もあった。ユーロ圏財務相会合(ユーログルー プ)では、ギリシャの債務返済計画の延長をめぐって債券保有者と協 議するとの考えが初めて浮上した。

ミラー・タバク・ロバーツ・セキュリティーズの債券ストラテジ スト、エイドリアン・ミラー氏は‘、「米国では経済指標の改善が鈍 っており、欧州では債務危機をめぐる状況が一進一退している。また 財政への対応に関して不安感が広がっているため、米国債のモメンタ ムは十分強気となっており、利回りは低下が続くだろう」と分析した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し3.11%。同年債(表面利率3.125%、 2021年5月償還)価格は11/32上げて100 1/8。

10年債利回りは一時3.10%と、昨年12月7日以来の低水準 を付けた。30年債利回りは5bp下げて4.22%。2年債利回りは ほぼ変わらずの0.52%。

住宅着工件数

米商務省が発表した4月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換 算)は前月比11%減の52万3000戸。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想中央値(56万9000戸)を下回った。 先行指標となる住宅着工許可件数も減少した。

また米連邦準備制度理事会(FRB)が17日発表した4月の鉱 工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値、 2002年=100)は前月比横ばい。ブルームバーグがまとめたエコノ ミストの予想中央値は0.4%上昇だった。

モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は、「これらの統計は景気回復が平坦でないことを引き続 き示唆している」と説明。「トレンドの変化は近い将来においてはほ とんど見込まれない。少なくとも年内は難しい」と続けた。

償還期限までの消費者物価見通しを示す10年債と同年物インフ レ連動債(TIPS)の利回り格差は2.26%に縮小し、2月17日 以降で最も小幅となった。

債券のリターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 米国債の5月のリターンはこれまでプラス0.9%。一方インフレ連 動債はマイナス0.1%となっている。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチー フ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は、「米経済は成長の減速 期に陥りつつある」と指摘。「そうは言っても、基本的な成長やイン フレ期待は現在の金利水準を正当化していない。米国債相場は、これ までの上昇を考えれば調整局面に向かうはずだ」と述べた。

6カ月物TBのレートは0.07%。過去最低は6日付けた

0.0305%。3カ月物TBのレートは0.04%で、金利がマイナスと なった金融危機の時以来の低水準付近。

◎NY金:3日続落、住宅着工の大幅減で売り-終値1480ドル

ニューヨーク金先物相場は3日続落。米経済の成長ペース鈍化を 示す指標を受け、商品の魅力が薄れた。

4月の住宅着工件数は前月比11%減少した。失業率が9%前後 で高止まりし、賃金の伸びが低迷する中、建設業の回復には数年を要 する可能性があるとの見方が広がった。商品19銘柄で構成するロイ ター・ジェフリーズCRB指数は3営業日連続で低下した。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) は「商品全体の持ち高解消で貴金属は上値を追うのが難しくなるかも しれない。景気鈍化は株価とエネルギー相場への圧力となり、デフレ の観点から金属相場も圧迫している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 6月限は前日比10.60ドル(0.7%)安の1オンス=1480ドルち ょうどで終了した。一時は1471.10ドルと6日以来の安値をつけ た。

◎NY原油:約3カ月ぶり安値、住宅着工減少で見通しが悪化

ニューヨーク原油先物相場は続落。ほぼ3カ月ぶりの安値をつけ た。4月の米住宅着工件数が減少し、鉱工業生産が前月比で横ばいに とどまったため、景気やエネルギー需要に対する楽観的な見方が後退 した。

住宅着工件数は前月比11%減の52万3000戸。米連邦準備制 度理事会(FRB)が発表した鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益 事業の生産を対象)は前月比横ばいとなった。前日はドルが対ユーロ で3月29日以来の高値をつけ、商品の魅力が弱まった。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は「ひどい住宅指標を受け、景気や住宅に関する懸念 が強まった」と指摘。「特にドルの上昇が続くようなら、2008年以 来で最大の下落局面に陥る恐れがある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は前日 比46セント(0.47%)安の1バレル=96.91ドルで終了した。 終値としては2月22日以来の安値。

◎欧州株:4日続落、建設株が安い-米住宅着工の減少を嫌気

欧州株式相場は4営業日続落。4月の米住宅着工件数の大幅減少 が嫌気された。

フランスのブイグを中心に建設関連株が売りを浴びた。同社の減 益が嫌気された。ハイテク株も安い。米パソコンメーカーのヒューレ ット・パッカード(HP)が業績見通しを下方修正したことが売りに つながった。一方、英携帯電話サービスのボーダフォンは利益が予想 を上回ったことから買われた。

ストックス欧州600指数は前日比1%安の277.28と、4週間 ぶり安値で引けた。4日続落は2カ月ぶり。

チャールズ・スタンレー(ロンドン)の調査責任者、ジェレミ ー・バットストーンカー氏は、「企業ニュースはどちらかと言えば前 向きに捉えられ、相場を安定させるのに寄与した。だが、深刻なマク ロ経済の不透明感は依然として際立っている」と述べた。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は、ギリシャの債務返済 計画の延長をめぐって債券保有者と協議するとの考えを初めて打ち出 した。昨年の1100億ユーロ(約12兆6000億円)の金融支援で は、ギリシャ財務の健全性回復は図れていないと指摘した。

ユーログループのユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相) は、国有資産の売却加速と一段の歳出削減を盛り込んだ支援パッケー ジの一環として、欧州がギリシャに対し債務減免を伴わない「リプロ ファイリング(返済延長)」を検討する可能性を明らかにした。

17日の西欧市場では18カ国中15カ国で主要株価指数が下落 した。

ブイグは4.5%安。英半導体設計企業のARMホールディング スは4.6%下落。ストックス欧州600指数のハイテク銘柄は産業別 グループの中で大きく下げた。

◎欧州債:ドイツ債が上昇-ユンケル議長発言にも懸念緩和せず

欧州債市場では、ドイツ国債相場が上昇。ユーロ圏財務相会合 (ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相) が、ギリシャ救済計画の一環としてギリシャ債の「リプロファイリン グ(返済延長)」が可能と発言したものの、債務危機をめぐる懸念の 緩和につながらず、低リスクとされる国債への需要が高まった。

ユンケル議長の発言で民間債権者の損失が限定されるとの見方か ら、ギリシャ国債は上昇する場面もあったが、下げて終えた。ポルト ガル国債も下落。ユーログループが前日にポルトガルへの780億ユ ーロの救済策を承認したことがきっかけ。

一方、ドイツ国債は上昇。ドイツの欧州経済研究所センター(Z EW)がこの日発表した5月の独景況感指数が3カ月連続で低下した ことが手掛かりに、独10年債利回りは2カ月ぶり低水準まで2ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)に迫った。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト(ロンドン在 勤)、ピーター・チャットウェル氏は、「ギリシャ国債のリプロファ イリング発言が材料視された。簡単に解決できる問題ではない」と述 べ、「少なくとも数週間は時間を要する問題だと織り込まれつつある ようだ。これがドイツ国債の別の支援要因となった」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比2b p低下の3.09%。16日には3.07%まで下げ、3月16日以来の 最低を記録した。同国債(表面利率3.25%、2021年7月償還)価 格は0.19ポイント上げ101.325。ドイツ2年債利回りも2bp 下げ1.79%。

ギリシャ2年債利回りは前日比7bp上昇の24.98%。一時は 45bp下げた。ギリシャ10年債利回りは15.63%と、前日からほ ぼ変わらずだった。

◎英国債:10年債下落、利回り3.36%-インフレ加速で利上げ観測

英国債相場は下落。4月のインフレ率が予想以上に上昇したこと を背景に、利上げ観測が強まった。

英政府統計局(ONS)が17日発表した4月の消費者物価指数 は前年同月比4.5%上昇し、2008年以来の高水準に達した。ブル ームバーグ・ニュースがエコノミスト32人を対象にまとめた調査の 中央値では、4.1%上昇が見込まれていた。

10年債利回りは3.36%。一時は前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.38%を付けた。2年債利回り は1%と、前日からほぼ変わらず。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212-617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE