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ユーロが対ドル一時7週ぶり安値、ギリシャ協議見極めでその後じり高

東京外国為替市場では、ユーロが 対ドルで約7週間ぶり安値を更新したあと、反発に転じた。ユーロ圏財 務相会合を控えて、ギリシャの債務問題をめぐる不透明感が嫌気されて ユーロ売りが先行したが、午後にかけては財務相会合での協議の行方を 見極めたいとの姿勢が広がり、ユーロはじり高となった。

ユーロ・ドル相場は朝方に一時、1ユーロ=1.4048ドルと3月 29日以来の水準までユーロ安が進行。その後は徐々にユーロの買い戻 しが優勢となり、午後には1.4143ドルまで値を戻した。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場 調査の尾河真樹シニアマーケットアナリストは、財務相会合待ちという ことで、ユーロの下押しには一服感が出ているが、「今の状況ではどう も足並みは揃わなそうで、追加支援といった話もそうすんなりとは決ま らなさそうだ」と指摘。ただ、市場の期待も高くはないため、「若干ユ ーロの上値が重くなるかもしれないが、その影響でユーロが急落すると いう話でもない」と語った。

ユーロは対円でも一時、1ユーロ=113円42銭と3月18日以来 の安値まで下落。その後はじりじりと買い戻しが進み、午後には114 円49銭まで値を戻した。

また、ドル・円相場は朝方に一時、1ドル=80円64銭まで円高 に振れる場面が見られたが、その後は81円ちょうど前後でもみ合う展 開が続いた。

ギリシャ債務問題

ユーロ圏の財務相らは16日にブリュッセルで会合を開き、ギリシ ャのデフォルト(債務不履行)回避に向けた追加支援策について協議す る。ポルトガルに対する780億ユーロの支援承認とドラギ・イタリア 銀行(中央銀行)総裁の欧州中央銀行(ECB)次期総裁への指名も議 題に入っている。

ドイツのショイブレ財務相は15日にARDテレビに対して、ギリ シャ債のいかなる返済期限延長も、「民間部門が着実にポジションを解 消して」納税者に負担を移す動きを阻止する必要があると指摘。「延長 が実施される場合は、全員がそれを受け入れなければならない」と述べ た。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の塚田常雅グループマネージャーは 「ギリシャ問題については、将来的に過去に行った救済スキームの見直 しが必要とされるのは自明」だとし、「どういった形で合意形成されて いくのかというところをマーケットは見に行っている」と語った。

一方、みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミ スト、唐鎌大輔氏は、資金援助を受けたとしても、ギリシャ自体の財政 再建が必須条件となる中で、財政再建には景気の悪化を伴うため、「そ ういう通貨は普通買えない」と指摘した。

ユーロ高・ドル安ポジションの巻き戻し

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、ユーロ・ドル先物取 引非商業部門のユーロの買い越し幅が6万1447枚となり、2007年7 月以来の最大となった前週の9万9516枚から縮小した。

国際通貨基金(IMF)スポークスマンは、ストロスカーン専務理 事が14日に性的暴行容疑で逮捕されたことを受け、16日のユーロ圏 財務相会合にはシャフィク副専務理事がIMFの代表として出席するこ とを明らかにした。

三菱UFJ信託銀の塚田氏は「ストロスカーン氏の話もそうだが、 ユーロはヘッドラインに対してポジション調整を余儀なくされている感 じ」だとし、ギリシャ問題をめぐる不透明感などが結果的に4月から6 月にかけて対ユーロなどで積み上がった「大幅なドル安のポジションの 巻き戻しにつながっている」と説明した。

機械受注が予想外の増加

内閣府が16日発表した機械受注統計によると、東日本大震災が起 きた3月のコア機械受注(船舶と電力を除く民需)は前月比2.9%増と なった。前年同月比では6.8%の増加。ブルームバーグの事前調査によ る予想中央値は前月比10.0%減、前年同月比8.0%減だった。

機械受注発表直後、円は対ドル、対ユーロでこの日の高値まで上昇 した。みずほコーポレート銀の唐鎌氏は日本の経済指標は材料視されに くいものの、日米の株安を背景に「もともと円が買われやすい地合い」 の中、機械受注の上振れが「多少は円買いの後押しに効いた」と説明し ていた。

一方、その後の円の反落局面について、NTTスマートトレードF X事業部サポートセンター担当部長の工藤隆氏は、「輸入の円売り・ド ル買いが出ているようだし、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)も 切り返しているところをみると、売られ過ぎて戻しているという感じ」 と話していた。

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