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4月国内企業物価は商品市況高で2年6カ月ぶり伸び-2.5%上昇

4月の国内企業物価指数は、前月 までの国際商品市況の上昇を受けて、前年比が2008年10月以来2年 6カ月ぶりの高い伸びとなった。国内企業物価は当面、国際商品市況 のこれまでの値上がりを反映し、上昇基調をたどるとみられている。

日本銀行が16日発表した4月の国内企業物価指数は前年同月比

2.5%上昇と、7カ月連続のプラスとなった。前月比は0.9%上昇と08 年7月以来2年9カ月ぶりの伸びとなった。ブルームバーグの予想調 査では前年同月比2.1%上昇、前月比0.4%上昇が見込まれていた。3 月の確報値は前年同月比2.0%上昇、前月比は0.6%上昇だった。

ニューヨークの原油先物相場は足元で1バレル=90ドル台後半 と、ひところに比べ軟調に推移しているが、前月は100ドル台半ばか ら110ドル台半ばの高値圏で取引された。白川方明総裁は前月28日の 会見で「この先、石油製品の値段が上がってインフレ期待が高まって いくことがないか、注意して見ていくべき事項の1つ」と述べた。

日銀は先月29日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート) で「国内企業物価指数の前年比は、マクロ的な需給バランスが改善基 調で推移する下で、国際商品市況の上昇を反映し、見通し期間を通じ て上昇が続くと見込まれる」と指摘。2011年度は前年度比2.2%上昇、 12年度は0.6%上昇という見通し(政策委員の中心値)を示した。

震災の影響は限定的

日銀の愛宕伸康物価統計課長は「足元の海外商品市況高は不安定 な値動きとなっているが、4月はならしてみると上昇傾向をたどった。 そうした下で輸入価格はプラス幅を拡大しており、国内企業物価指数 も海外市況の影響を受けやすい石油・石炭製品や化学製品などがけん 引する形でプラス幅が拡大した」と述べた。

東日本大震災の影響が出た品目としては、鶏卵が飼料工場の被災 や物流の混乱により一時的に需給のひっ迫で上昇したほか、普通合板 が原木の不足や接着剤の値上がりに加え、震災による供給減少や仮設 住宅の需要増加で上昇した。愛宕課長は「農林水産物や製材・木製品 などの一部で供給制約に伴い上昇している品目もある」ものの、指数 全体に対しては「目立った影響はなかった」と語った。

日銀は11日、東日本大震災が物価に与える影響を分析したリポー トを公表。「震災に伴う供給不足から、合板などの市況性の高いごく 一部の財の価格には上昇しているものもあるが、多くの財は、特に品 不足が顕著な一部の食料品を含め、小売段階での価格は安定的に推移 している」と指摘した。

リポートはその上で「もっとも、電力不足やサプライチェーンの き損が長引き、供給力が長期間にわたって制約される場合には、実際 の物価上昇につながる可能性があることには留意する必要がある」と 指摘。一方で「供給力の長期的な停滞が、家計や企業の長期的な所得 見通しを押し下げる程度が大きい場合には需要の減退が大幅となり、 物価や賃金に下落圧力がかかることも考えられる」としている。

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