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今日の国内市況:日本株続伸、債券高-ドルは対ユーロ09年12月来安値

東京株式相場は続伸。日経平均株 価の終値は、東日本大震災当日の3月11日以来の高値となった。米国 の金融緩和政策の継続による過剰流動性期待から、輸出や素材関連、 金融株など東証1部33業種中、31業種が高い。決算を受けたコマツ や日立製作所、京セラ、日本電気硝子といった個別銘柄への評価も全 体相場を押し上げた。

TOPIXの終値は前日比11.98ポイント(1.4%)高の851.85、 日経平均株価は157円90銭(1.6%)高の9849円74銭で、いずれも きょうの高値引け。東証1部33業種の上昇率上位にはガラス・土石製 品やゴム製品、精密機器、機械、銀行などのほか、空運、電気・ガス、 小売も入った。

きのうのシカゴ先物市場の清算値9730円を上回る水準で取引を 開始した日経平均は、午前半ば以降に先物で損失を限定させるための ストップロスとみられる買いが入った影響もあり、徐々に上げ幅を拡 大。3連休や引け後の決算発表ラッシュを控えながらも、午後も堅調 な動きを見せた。日経平均は4月に入り9400-9800円のレンジ相場が 続いていたが、レンジを上抜ける兆しが出てきた。

FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の27日に声明を 発表し、景気が緩やかなペースで回復しており、インフレ加速は一時 的なものになる可能性が高いとの認識を示した。6000億ドルの国債購 入計画は、予定通り6月で終了させることで合意。バーナンキ議長は 会見で、保有証券の償還金の再投資は6月以降も継続、早期に利上げ に踏み切る可能性が小さいことを示唆した。

きのうの米国市場では、引き締め懸念が後退したことでS&P500 種株価指数は2008年6月以来、ナスダック総合指数は2000年12月以 来の高値となった。

また、決算発表を行った企業の上げも目立った。東京証券取引所 によると、きょうは3月決算企業の前半戦の発表ピーク日。業績に対 する不透明感の後退も、株価指数の押し上げ要因となった。

一方、経済産業省が取引開始前に発表した3月の鉱工業生産は、 前月比15.3%の低下で過去最悪となり、ブルームバーグが集計したエ コノミスト予想(前月比10.6%低下)に比べ悪化した。東日本大震災 に伴う生産設備の破壊やサプライチェーンの寸断が要因。同時に発表 された予測指数は4月が3.9%上昇、5月が2.7%上昇だった。

東証1部の売買高は概算で21億8440万株、売買代金は同1兆 6029億円。値上がり銘柄数は1255、値下がり295。33業種では、任天 堂の下げが響いたその他製品、海運の2業種だけが安かった。

債券は続伸

債券相場は続伸。先物は約1カ月半ぶりに140円台に乗せた。米 国債相場の下落を受けて売りが先行したが、鉱工業生産が過去最大の マイナスとなるなど国内景気懸念が強まり、徐々に買いが優勢になっ た。この日の日銀金融政策決定会合では西村清彦副総裁の資産買い入 れ基金の増額提案が否決されたことでいったん売られたが、今後の追 加緩和期待の継続との見方が広がり、買い直された。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比4銭安の139円90銭で 始まり、直後にこの日の安値となる139円85銭まで下落。しかし、そ の後は徐々に買いが優勢となり、午後の開始後には3月17日以来の高 値となる140円08銭まで上昇した。日銀決定会合の結果発表後には横 ばい圏まで伸び悩んだが、取引終盤にかけて再び買われ、結局は11 銭高の140円05銭で引けた。

朝方は前日の米国市場で債券安、株高となった流れを引き継いだ。 27日の米債相場は下落。米10年債利回りは前日比4ベーシスポイン ト(bp)高い3.35%程度。FOMCがインフレ見通しを上方修正した ことが背景。一方、米株相場は上昇。日経平均株価は続伸した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の313回債利回 りは、前日比0.5bp高い1.22%で始まり、いったんは1.225%を付け た。その後は横ばい圏で推移していたが、午後2時半過ぎに水準を切 り下げ、一時は1.5bp低い1.20%と3月下旬以来の低水準を付けた。 その後は1.205%で取引されている。

中期債も買われた。5年物の96回債利回りは1.5bp低い0.465% まで低下し、新発5年債としては3月29日以来の低水準を付けた。

日銀は28日、金融政策決定会合で、金融政策については現状維持 とすることを決めた。西村副総裁が資産買い入れ等基金の5兆円増額 を提案したが、反対多数で否決された。また、「被災地金融機関を支援 するための資金供給オペレーション」を行うことを正式に決定した。 有力日銀ウオッチャー14人の大方が現状維持を予想していた。

金融政策運営については、資産買い入れ等基金のうち、長期国債 や社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-R EIT)など金融資産買い入れは「10兆円」、固定金利方式の共通担 保オペは「30兆円」、政策金利は「0-0.1%」、長期国債の買入額は 「月1.8兆円」にいずれも据え置いた。

日銀が公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、 2011年度の委員見通し(中央値)は、東日本大震災を受けて実質国内 総生産(GDP)成長率が1月時点のプラス1.6%からプラス0.6%に 下方修正。消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比は プラス0.3%からプラス0.7%に上方修正された。

ドル対ユーロで09年12月来安値

東京外国為替市場では、ユーロ・ドル相場が1ユーロ=1.48ドル 台に乗せ、2009年12月以来のドル安値で推移した。米連邦公開市場 委員会(FOMC)を通過し、早期の緩和策解除が明確に示されなか ったと受け止められ、欧州中央銀行(ECB)との政策格差を背景に ドル売り圧力が続いた。

ユーロ・ドル相場は正午過ぎに、一時1.4882ドルまでドルが水準 を切り下げた。午後4時15分現在は1.4843ドル近辺で取引されてい る。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル・インデックスは一時72.871と、08年7月以来の水準まで低下 している。

また、ドル・円相場は午後の取引で一時1ドル=81円54銭まで ドルが下落。午後4時15分現在は81円62銭付近で推移している。前 日の海外市場では、FOMC前に持ち高調整のドル買いが進む場面が 見られ、一時は82円79銭と、今月20日以来の水準までドルが上昇し ていた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は26、27日のFOMCで、政策 金利であるフェデラルファド(FF)金利の誘導目標を08年12月に 設定したゼロから0.25%のレンジにとどめ、09年3月以来の「長期に わたり、異例な低水準」で維持する方針も変えなかった。6000億ドル の国債購入計画については予定通り6月で終了させることで合意した。

バーナンキFRB議長は、今回が初めてとなるFOMC後の記者 会見で、「長期にわたり」低金利を維持するとの方針について、「数回 の会合」は引き締めがないことを意味する可能性が高いとの認識を示 した。

ECBは5月5日に政策決定会合を開く。今月7日に開かれた前 回会合では、ほぼ3年ぶりの利上げに踏み切っており、トリシェ総裁 は会合後の記者会見でインフレリスクは引き続き上方向だとし、EC Bの金融政策は依然として「緩和的だ」と言明している。

ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=121円84銭と、今月13 日以来の水準までユーロ高・円安が進んでいる。

午後には日本銀行がこの日開催した金融政策決定会合の結果を発 表。東日本大震災の被災地の金融機関を対象に、復旧・復興に向けた 資金需要への初期対応を支援するための長めの資金供給オペを行うこ とを決定した。

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