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全日空:今期業績予想の開示見送り-国際化など事業戦略骨子は堅持

全日本空輸は28日の決算発表で、東 日本大震災の影響で合理的な予想算出が困難なことを理由に今期(2012 年3月期)業績予想の開示を見送った。一方で、同社が掲げるグローバ ル戦略は維持し、当面の業績数値の変更にとどめる見通し。全日空の日 出間公敬専務が会見で明らかにした。

日出間専務は、「需要回復のスピード感が見極めにくい」とし、今 期の業績予想は配当も含め「一部修正を行う考え」と説明する。ただ、 具体的な発表時期のめどについて「需要予測が不透明」とし「可及的速 やかに改めて開示する」と述べるにとどめた。

一方で、同社が2月24日に発表した、12年3月期から13年3月期 のグループ経営戦略の柱である国際線強化やアジア成長を取り込むなど の「戦略の骨子について変わりはない」と強調した。また、米ボーイン グに発注している次世代中型旅客機787に関連する計画についても現 時点では何も変更はないと付け加えた。

さらに同社は震災と福島原発事故関連で需要が減退していることに 関連した緊急対策として、徹底したコスト管理と削減を実施し、今期は 300億円程度のコスト削減を図る方針。同社がこれまで推進していた販 売費用削減など860億円の構造改革の深堀として実施する考え。

同社が2月に開示した戦略による経営目標については、12年3月期 連結売上高は1兆5000億円、営業利益1100億円、純利益450億円を見 込む。また13年3月期の売上高は1兆5700億円、営業利益1300億円、 純利益530億円をそれぞれ目標に掲げている。中期的には営業益1500 億円超を目指す方針。

前期は黒字転換と復配達成

同社が同時に発表した前期(11年3月期)連結決算は売上高が11% 増の1兆3577億円、営業損益は前期の542億円の赤字から678億円の黒 字、純損益は574億円の赤字から233億円の黒字とそれぞれ大幅に業績 は好転した。配当は2期ぶりで1株当たり2円。

国内線旅客事業の売上高は前期比3.4%増の6526億円だった。日出 間氏は「震災後にはプレジャー事業が減少したが、全体としてはビジネ ス需要、プレジャー需要それぞれ堅調に推移した」と説明。国際線事業 は同31%増の2806億円。同社が羽田空港国際化で新規路線開設と増便 などの積極策に出たことが寄与した。

また、貨物事業では国際線の成長が顕著に出た形となり、国際線の 売上高は同54%増の860億円だった。同社が推進する沖縄貨物ハブのネ ットワーク構想が軌道に乗りアジア域内の需要を獲得したことなどが奏 功した。

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