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ドル対ユーロで09年12月来安値、米欧の政策格差重し-対円81円後半

東京外国為替市場では、ユーロ・ ドル相場が1ユーロ=1.48ドル台に乗せ、2009年12月以来のドル安 値で推移した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、早期の 緩和策解除が明確に示されなかったと受け止められ、欧州中央銀行(E CB)との政策格差を背景にドル売り圧力が続いた。

ユーロ・ドル相場は正午過ぎに、一時1.4882ドルまでドルが水準 を切り下げた。午後4時15分現在は1.4843ドル近辺で取引されてい る。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル・インデックスは一時72.871と、08年7月以来の水準まで低下 している。

また、ドル・円相場は午後の取引で一時1ドル=81円54銭まで ドルが下落。午後4時15分現在は81円62銭付近で推移している。前 日の海外市場では、FOMC前に持ち高調整のドル買いが進む場面が 見られ、一時は82円79銭と、今月20日以来の水準までドルが上昇し ていた。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、米国の金融政策 に関しては、多少緩和策の基調変化が期待されていたが、「結局想定通 りだったということで、ドル安方向というのは変わらない」と指摘。 ECBとの政策格差が意識される中、今後は米経済指標で、景気回復 の度合いを確かめながらの相場展開になると見込んでいる。

米欧政策格差を意識

米連邦準備制度理事会(FRB)は26、27日のFOMCで、政策 金利であるフェデラルファド(FF)金利の誘導目標を08年12月に 設定したゼロから0.25%のレンジにとどめ、09年3月以来の「長期に わたり、異例な低水準」で維持する方針も変えなかった。6000億ドル の国債購入計画については予定通り6月で終了させることで合意した。

バーナンキFRB議長は、今回が初めてとなるFOMC後の記者 会見で、「長期にわたり」低金利を維持するとの方針について、「数回 の会合」は引き締めがないことを意味する可能性が高いとの認識を示 した。

SMBC日興証券国際市場分析部、為替担当の松本圭史課長は、 米国の緩和策維持があらためて確認される格好となり、当面は全般的 な「ドル安」の流れが強めに出る可能性があると指摘。さらに、来週 はECB会合を控えており、米欧の政策格差が意識される展開がしば らく続くと見込んでいる。

ECBは5月5日に政策決定会合を開く。今月7日に開かれた前 回会合では、ほぼ3年ぶりの利上げに踏み切っており、トリシェ総裁 は会合後の記者会見でインフレリスクは引き続き上方向だとし、EC Bの金融政策は依然として「緩和的だ」と言明している。

松本氏は、日米ともに緩和的な金融政策が維持されているという 点では、「ユーロが注目されやすい」と説明。さらに、米国は年内の緩 和策継続が見込まれているものの、出口は視野に入っており、「取り残 されている日本」という構図は変わらないと付け加えた。

ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=121円84銭と、今月13 日以来の水準までユーロ高・円安が進んでいる。

日銀会合

午後には日本銀行がこの日開催した金融政策決定会合の結果を発 表。東日本大震災の被災地の金融機関を対象に、復旧・復興に向けた 資金需要への初期対応を支援するための長めの資金供給オペを行うこ とを決定した。

金融政策運営については、資産買い入れ等基金のうち長期国債や 社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-RE IT)など金融資産買い入れは「10兆円」、固定金利方式の共通担保 オペは「30兆円」、政策金利は「0-0.1%」、長期国債の買入額は「月

1.8兆円」にいずれも据え置いた。政策金利の据え置きは全員一致。

みずほ証の林氏は、震災後の対応を含めて、日本の緩和的な政策 スタンスが、ドル・円相場の「下支え要因」になる可能性があると指 摘。ただ、この日の東京市場では、連休を控えた持ち高調整の動きが 出やすく、連休中は国内輸入企業を中心としたドル買い・円売り需要 も薄くなる可能性が警戒され、午後の取引にかけてやや円がじり高に 推移したと説明している。

また、日銀が発表した半年に1度の経済・物価情勢の展望(展望 リポート)によると、11年度の政策委員の見通し(中央値)では、震 災を受けて実質国内総生産(GDP)成長率が1月時点のプラス1.6% からプラス0.6%に下方修正された。一方、消費者物価指数(除く生 鮮食品、コアCPI)の前年比は、国際商品市況高によりプラス0.3% からプラス0.7%に上方修正された。

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