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日経平均が震災後高値、米緩和継続や決算評価で輸出や素材中心

東京株式相場は続伸。日経平均株 価の終値は、東日本大震災当日の3月11日以来の高値となった。米国 の金融緩和政策の継続期待や企業業績・生産に対する不透明感の後退 から、輸出や素材、金融株など東証1部33業種中、31業種が高い。 決算を受けたコマツや日立製作所、京セラなど個別への評価も全体相 場を押し上げた。

TOPIXの終値は前日比11.98ポイント(1.4%)高の851.85、 日経平均株価は157円90銭(1.6%)高の9849円74銭で、いずれも きょうの高値引け。東証1部33業種の上昇率上位にはガラス・土石製 品やゴム製品、精密機器、機械、銀行などのほか、空運、電気・ガス、 小売も入った。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「バーナンキ米連邦準備 制度理事会(FRB)議長の会見内容はとてもマーケットフレンドリ ー。米国は金融緩和が続く一方で景況感はそう悪くなく、株式にとっ ていい環境だ」と話していた。

きのうのシカゴ先物市場の清算値9730円を上回る水準で取引を 開始した日経平均は、午前半ば以降に先物で損失を限定させるための ストップロスとみられる買いが入った影響もあり、徐々に上げ幅を拡 大。3連休や引け後の決算発表ラッシュを控えながら、午後も堅調な 動きを見せた。「日本の多くの投資家はなお株式に悲観的なポジション (持ち高)になっている。まだ買い戻しの域は出ないが、ポジション を持っていないことにリスクを感じ始めている」と、いちよし投資顧 問の秋野氏は言う。

FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の27日に声明を 発表し、景気が緩やかなペースで回復しており、インフレ加速は一時 的なものになる可能性が高いとの認識を示した。6000億ドルの国債購 入計画は、予定通り6月で終了させることで合意。バーナンキ議長は 会見で、保有証券の償還金の再投資は6月以降も継続、早期に利上げ に踏み切る可能性が小さいことを示唆した。

暗闇から薄明かり

きのうの米国市場では、引き締め懸念が後退したことでS&P500 種株価指数は2008年6月以来、ナスダック総合指数は2000年12 月 以来の高値となった。きょうの日本株指数は、きのうの米国株以上の 上昇率となったが、「米国が急に引き締めに転じるまでには相当な距離 感がある、ということをマーケットが感じ取り、きょうの相場を支え た」 と、三菱UFJ投信の関口研二戦略運用部長はみている。

決算発表を行った企業の上げも目立った。東京証券取引所による と、きょうは3月決算企業の前半戦の発表ピーク日。明和証券の矢野 正義シニア・マーケットアナリストは、「決算発表後は高くなる企業が 多く、企業業績はこれまでの真っ暗闇の状態から会社発表を経て、徐々 に薄明かりが見えつつある」と指摘。決算発表の進展で業績への不透 明感がやや後退してきたことも、株価指数の押し上げ要因となった。

生産最悪期脱出も、指数上放れの兆し

一方、経済産業省が取引開始前に発表した3月の鉱工業生産は、 前月比15.3%の低下で過去最悪となり、ブルームバーグが集計したエ コノミスト予想(前月比10.6%低下)に比べ悪化した。東日本大震災 に伴う生産設備の破壊やサプライチェーンの寸断が要因。同時に発表 された予測指数は4月が3.9%上昇、5月が2.7%上昇だった。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは、 「4月の予測指数がプラスとなったのは良い意味でのサプライズ。生 産水準でみた最悪期は既に終わった可能性もある」と評価していた。

日経平均は4月に入り9400-9800円のレンジ相場が続いていた が、津波の被害を受け急落した3月14日のチャート上のローソク足克 服に挑もうとしている。もっとも、同11日からの日本株の急落場面で は売買高を伴い下落した経緯があり、戻り売り圧力も強まってくる水 準。実体経済が震災前の状況を回復するには相当な時間がかかるとみ られるだけに、「米国株の追い風だけでは、戻り売りをクリアするのは 難しい」と、東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長はみる。

東証1部の売買高は概算で21億8440万株、売買代金は同1兆 6029億円。値上がり銘柄数は1255、値下がり295。33業種では、任天 堂の下げが響いたその他製品、海運の2業種だけが安かった。

--取材協力:池田亜希子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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