コンテンツにスキップする

日銀会合:西村副総裁の追加緩和提案を否決、支援オペを正式決定

日本銀行は28日午後、同日開いた 金融政策決定会合で、「被災地金融機関を支援するための資金供給オ ペレーション」を行うことを正式に決定した。金融政策については現 状維持とすることを決めた。西村清彦副総裁が資産買い入れ等基金の 5兆円増額を提案したが、8対1の反対多数で否決された。

同オペレーションは東日本大震災の被災地の金融機関を対象に、 復旧・復興に向けた資金需要への初期対応を支援するための長めの資 金供給オペ。貸付期間は1年、金利は0.1%で、貸付総額は1兆円。 1金融機関当たり1500億円を上限とする。今年10月末まで貸し付け を受け付ける。

支援オペの対象は被災地(岩手県、宮城県、福島県の全域と青森 県、茨城県、栃木県、千葉県の一部など災害救助法適用を受けている 地域)に営業所を有する金融機関で、共通担保資金供給オペの対象先。 農協や漁協など系統金融機関についても、上部機関である農林中央金 庫など取引先金融機関を通じて資金供給を行う。

日銀は同時に、被災地金融機関の資金調達余力確保のため担保適 格要件を緩和する。対象は被災地に事業所などを有する企業の社債、 手形、証書貸付債権など。直近の自己査定で正常先に区分されている 企業の手形と証書貸付債権は信用力に問題ないものとして扱うほか、 外部格付けを有する企業の社債と証書貸付債権は「A格相当以上」か ら「BBB格相当以上」に緩和する。適用期間は2012年10月末まで。

供給ショックへの対応は困難

金融政策運営については、資産買い入れ等基金のうち長期国債や 社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-RE IT)など金融資産買い入れは「10兆円」、固定金利方式の共通担保 オペは「30兆円」、政策金利は「0-0.1%」、長期国債の買入額は「月

1.8兆円」にいずれも据え置いた。政策金利の据え置きは全員一致。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラ テジストは決定会合前、「供給ショックへの金融政策での対応は基本 的に困難。追加緩和策は温存する」として、今会合での追加緩和の可 能性は低いと予想していた。

もっとも、第2次補正予算案が国会に提出されるとみられる6、 7月までに、日銀が何らかの追加緩和を打ち出すとの声も根強い。ク レディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「6、7月ころ」 に資産買い入れ等基金を通じた国債買い入れの増額が行われると予想 する。日銀は先月14日の会合で、リスク資産を中心に資産買い入れ等 基金を5兆円程度増額することを決定した。

次の一手は国債買い入れ増額か

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「成長見通しが一段 と悪化する見通しが高まった時、または債券市場などでリスクプレミ アムが高まる恐れが出てきた時、金融資産の買い取りを10兆円から 15兆円へ増額する」と予想する。東海東京証券の佐野一彦チーフスト ラテジストは「タイミングは今年の7-9月が第1候補」と指摘。具 体的には資産買い入れ等基金を含む国債買い入れ増額を挙げている。

議事要旨は5月25日に公表される。日銀は午後3時に半年に1度 の経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表。白川方明総裁が午 後3時半に記者会見する。

金融政策決定会合、金融経済月報等の予定は以下の通り。

会合開催       総裁会見 金融経済月報  議事要旨
5月19、20日   5月20日     5月23日    6月17日
6月13、14日   6月14日     6月15日    7月15日
7月11、12日   7月12日     7月13日    8月10日
8月4、5日   8月5日     8月8日    9月12日
9月6、7日   9月7日     9月8日    10月13日
10月6、7日   10月7日     10月11日    11月1日
10月27日       10月27日      -         11月21日
11月15、16日  11月16日     11月17日  12月27日
12月20、21日  12月21日    12月22日    未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情 勢の展望(展望リポート)は10月27日。議事要旨は午前8時50分。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE