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パナソニック:1.7万人削減、構造改革を加速-パネル投資を凍結

家電メーカー国内最大手のパナソニ ックは28日、グループの新経営方針を発表した。2年間に全世界で約1 万7000人を減らして2012年度に35万人規模の体制にするほか、パネル と半導体の自社生産の新規投資を凍結する方針を明確にした。完全子会 社化した三洋電機とパナソニック電工を含むグループの再編で、構造改 革を加速する。

構造改革費用は11年度に約1100億円、12年度は約500億円を見込 んでいる。パネルは、液晶とプラズマの両方を自前で開発・生産投資し てきたが、従来の方針を転換。提携先からの調達比率を増やし、生産の 効率化を図る。半導体も事業方針を転換。先端技術に投資せず、生産は 受託製造を行うファウンドリーへの外部委託を進める。

09年12月に連結子会社化した三洋電とパナ電工は、今年の完全子 会社化でグループ経営を一元化、今期から新体制を始動させた。同日 夕、大阪本社で記者会見した大坪文雄社長は「パナ電工は完全合併を検 討するが、時期は決めていない。三洋電は当面、法人格を残すが、ブラ ンドの統一などを進める」と述べた。

方針転換は、特にテレビ事業の黒字化が難しいことが背景にある。 10年度の黒字化を目指していたが、大坪氏は「テレビは大変苦しい状況 が続いている。重い固定費が、経営悪化の最大の要因」と分析。「大型 はプラズマ」「中型以下は液晶」と分けてきたテレビ事業について「パ ネル別、サイズ別の展開は、今後は一切、取り払う」とし、「11年度は テレビ事業の再生に賭けてみたい」と語った。

リストラと成長の両立目指す

人員削減など一連の構造改革について、米フェデレイテッド・イ ンベスターズ・グループの光井祐宏氏は「三洋電とパナ電工の完全子 会社により、電池やソーラーなどの競争力強化を目指していたが、韓 国や中国など新興勢力の急速な台頭で難しくなっている」と指摘。グ ループ内の重複事業が複数あるため「リストラは避けて通れない」と の見方を示した。

重複分野の解消に向け、一例として大坪氏は「全世界で350の拠 点を1-2割減らすことも検討する」と述べた。本社体制も改革し、 パナソニック、パナ電工、三洋電の本社部門と6地域本部の地域統括 機能を統合し、より小さな「グローバル&グループ本社」を構築する。

同時に、成長著しい新興国市場での事業拡大も進める。売り上げ の倍増を目指すインドや中国、ロシア、ブラジルをはじめとした諸国 で11年度に6150億円の売り上げを目指す。スマートフォン関連のデ バイス事業や有機EL照明の事業化を加速し、ソーラー事業も強化。 環境・エネルギー分野で12年度末までに1兆6000億円の事業創出を 打ち出し、構造改革と成長戦略の両立を目指す。

これらの施策の実現に向け「経営体質強化部会」を設置し、固定 費削減を進めて、損益分岐点を今後2年間で4%引き下げることを目 指す。グループ統合によるシナジー効果で、12年度には600億円の 営業増益要因を予想。昨年発表した12年度の売上高10兆円、営業利 益率5%以上の収益目標は維持した。

--取材協力 安真理子 Editor:Tetsuki Murotani Tetsuzo Ushiroyama Hitoshi Sugimoto

Mikako Nakajima、  Makoto Uenoyama、 Takumi Kajisha Fumio Ohtsubo、  Masahiro Mitsui

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