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日本株反発、米景気と生産期待で輸出、素材買い-業績懸念も和らぐ

東京株式相場は反発。米国の消費 者信頼感指数の上昇や国内製造業の生産復旧期待から、電機など輸出 関連、非鉄金属など素材関連株中心に高い。通期業績予想の下方修正 が悪材料出尽くしとされたキヤノンは急伸し、東証1部の売買代金ト ップ。決算発表を受けファナック、クラレは午後一段高となった。

TOPIXの終値は前日比6.23ポイント(0.8%)高の839.87 と3日ぶり、日経平均株価は133円15銭(1.4%)高の9691円84銭 と4日ぶりに上昇。

ニッセイアセットマネジメントの西崎純チーフ・ポートフォリ オ・マネジャーは、「年内にはサプライチェーンが復旧する見通しとな ったことで、決算発表での一時的な悪い数字を確認すれば買いやすく なる」と指摘した上で、「きょうのキヤノンの動きはそれを象徴してい る」と話した。

きょうの日本株は、個別企業の足元の業績堅調や将来の回復を評 価する動きとなった。米格付け会社のスタンダード・アンド・プアー ズ(S&P) が、日本の外貨・自国通貨建ての長短期国債格付け見通 しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したと発表したが、株価へ の影響は限定的。午後の取引では、決算発表を受けたファナックが一 段高となり、相場全般を押し上げた。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが26日に発表した4月 の消費者信頼感指数は65.4と、前月の63.8から上昇。ブルームバー グがまとめたエコノミスト予想の中央値64.5を上回った。水戸証券の 吉井豊投資情報部長は、「原油高がどう消費者に影響するかが注目され ていたが、消費者信頼感指数でそれほど影響が出ていないことが確認 された」とし、「日本の景気の柱の一つである米国の消費マインドの改 善は、輸出関連にとって好材料」だったという。

問題は需要より供給

米指標を受け、需要サイドには引き続き問題がないことが確認さ れるとともに、震災の影響で動向が警戒されている国内の生産に関し ても、回復への期待が広がった。政府による初の震災後の公式調査と して注目された産業実態緊急調査は、経済産業省が26日に発表。これ によると、被災した製造業のうち、製造拠点が既に復旧済みの企業が 64%、夏までに(「1カ月以内」から「3カ月後」までの合計) 復旧 が見込まれる企業は26%と、合計で9割に達した。

同調査では、部品や部材の調達量が十分確保できる時期は10月ま でかかると答えた企業が多かったが、トヨタ自動車の復旧遅れを株価 は先行して織り込んでいただけに、 「日本の製造業の工場復旧が着実 に改善方向に進んでいることは、震災による悪影響が長期化しないこ とになり、株式にプラス」と、SMBC日興証券エクイティ部の西広 市部長は評価した。

キヤノン、ファナックで日経平均33円高

個別で相場上昇をけん引したのが、11年12月期の連結営業利益 予想を引き下げたキヤノン。メリルリンチ日本証券や野村証券が下方 修正は悪材料出尽くしで、 今後は相対的に高い収益力などが評価され ると予想、買い判断を強調した 。また、きょう午後1時に今期業績の 上期予想のみ発表したファナックについては、野村証券が会社側上半 期予想は生産面で深刻なボトルネックがないことを示唆したと評価、 一段高となった。きょうの日経平均は上昇寄与度首位のファナックと 2位のキヤノンで33円押し上げた。

また、急伸したクラレについては、今期の営業利益計画が市場予 想を上回るなどポジティブサプライズと野村証が指摘。任天堂や日本 電産を受け、前日時点で高まっていた企業決算に対する過度の警戒は、 きょうはいったん和らぐ格好となった。

このほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明やバーナン キ連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を米国時間27日に控え、 米住宅指標の改善ペースの遅れから緩和政策は継続するとの期待もあ り、非鉄金属や鉱業など素材、資源関連も高かった。東証1部の売買 高は概算で17億4972万株、売買代金は同1兆3181億円。値上がり銘 柄数は867、値下がりは642。

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