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かんぽ生命:地方債と社債に積極投資、国債は減額へ-今年度運用計画

日本郵政グループ傘下で国内生保 最大のかんぽ生命保険は2011年度の運用計画で国債投資を前年度に 比べて減らす半面、地方債と社債に積極的に投資する。3月11日発生 の東日本大震災で投資家のリスク回避志向が強まり、国債に対する金 利上乗せ幅(スプレッド)が拡大しており、収益向上を目指す。

同社の渡辺満也運用企画部担当部長は26日のインタビューで、今 年度の運用方針について、「地方債と社債の合計購入額は、前年度計画 に比べて4800億円増加の1兆7500億円へ拡大する」と述べた。今年 2月末時点での地方債の残高は、09年度末比で18.2%増加の6兆602 億円。一方、社債は償還が多く、同8.7%減少の6兆3359億円だった。

渡辺氏は、「大震災後に、社債の発行が一時止まったため、地方債 が奪い合いになっている。高格付けの社債が買えないので、代替とし て地方債に向かったのだろう。しかし、社債市場が徐々に正常化すれ ば、需要が集まると思う」と話した。

野村証券が算出している指数によると、事業債(金融を除く社債) の国債に対するスプレッドは4月21日に最大64ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)まで拡大、25日には49bpで推移した。また、同証券 指数に基づく地方債のスプレッドは、大震災翌週に19bpと、1年9カ 月ぶりの高水準に拡大した後、4月25日には12bpに縮小している。

渡辺氏は、「発行状況にもよるが、より多くを購入できるなら、国 債の一部を地方債や社債に振り向けることも可能」だと指摘。「現状は 10bpを公募地方債購入の目線に置いているが、その時の相場状況に応 じて、多少なりとも国債より超過収益が得られるなら買い進めていき たい。以前は15bpでの発行もあったが、最近は縮小しており、10bp あれば問題なく買っていく」と語った。社債に関しては、「これまで通 り信用リスクを見ながら投資する姿勢は変わらない」と説明した。

国債投資は6000億円弱減少

一方、運用資産の7割近くを占める国債への投資は、前年度比で 5618億円減の5兆2600億円を計画している。ALM(資産・負債の 総合管理)に基づき、長期、超長期債を中心に投資する考えで、「年限 長期化に向けて、20年債などの超長期債を中心に買い進める」と言う。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りは、1.0-1.5%のレン ジを予想。渡辺氏は、「2次補正予算編成で国債増発がどうなるかが夏 ごろに出てくる。需給悪化懸念で一時的に金利が上振れする可能性も ある」と語り、購入時期を慎重に見極める姿勢を示した。

日本銀行の金融政策については、「震災の影響を受け、現行の緩和 姿勢を長期にわたって継続する」と予想しており、中短期債利回りは 低位安定を見込む。半面、長期・超長期債利回りは、海外金利動向や 国債増発懸念から高止まりし、利回り曲線の傾斜化が続くとみている。

リスク性資産は相場動向にらみ

外国債券や国内株などリスク性資産に関しては、「昨年度に圧縮し ていたのを投資再開に向けて動き出している」と説明。「相場動向をに らみつつ、現状のリスク量との兼ね合いを見ながら、外債や株への運 用を検討していく」考えを示した。外債投資は流動性を重視しつつ、 前年度と同額の500億円を計画している。

米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策については、「6月末 に量的緩和第2弾を終了する」ものの、「失業率が高水準にあるため、 今年度に利上げはないと思う。来年度以降のタイミングで利上げを行 うのではないか。緩和を止めて利上げ局面に行くには時間がかかり、 緩和的な状況が続く」との見通しを示した。

国内株式の運用を実施している金銭信託の残高は、2月末に2410 億円と09年度末に比べて4割近く増加した。ただ、資産残高に占める 割合は0.3%にとどまる。

2月末の同社の運用状況によると、資産残高は95兆7516億円。 運用資産に占める債券比率は80.7%。内訳は国債が67.0%の64兆 1836億円、地方債は6.3%の6兆602億円、社債は6.6%の6兆3359 億円、外国証券は0.7%の7154億円、貸付金は16.1%の15兆4003 億円。

かんぽ生命の2011年度の相場見通し
長期金利         1.0-1.5%
日経平均株価    8000-12000円
米国10年債        3.0-4.0%
ドル/円            75-95円
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