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ドル・円が81円台後半、米FOMC控え取引慎重-中東情勢を警戒も

東京外国為替市場では、ドル・円 相場が1ドル=81円台後半で推移した。日米の株価下落や中東・北ア フリカ情勢の不安定化を受けて、リスク回避に伴う円買いが先行した ものの、米国で連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、一段の取 引には慎重な姿勢が強まった。

ドル・円相場は朝の取引で一時81円57銭と、3月29日以来、約 1カ月ぶりの円高値を付ける場面が見られた。その後は円が伸び悩み となり、午後3時15分現在は81円72銭付近で取引されている。ユー ロ・円相場も一時1ユーロ=118円50銭と、4営業日ぶりの水準まで 円が上昇したあと、午後にかけて118円台後半まで押し戻されて推移 した。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、FO MC前の調整が出やすい中で、中東情勢の不透明感も相まって「とり あえずリスクを落とす」動きにつながっていると説明。イースター(復 活祭)休暇明けの欧州市場に対する警戒感もあり、調整に伴う円買い 圧力が残りやすいとみている。

この日の東京市場では、震災後の企業業績に対する不透明感を背 景に日経平均株価が3営業日続落で取引を終了。一時は前日比135円 安まで下げ幅を拡大する場面も見られた。

前日の米株式市場では、S&P500種株価指数とダウ工業株30種 平均がともに4営業日ぶりに下落。株価の予想変動率の指標であるシ カゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX 指数)は4営業日ぶりの水準に上昇した。

さらに、アジア市場では米株先物に加えて、欧州の株価先物指数 もマイナス圏に沈んで推移している。

リスク回避の材料目立つ

シリアでは治安部隊が南部ダルアーを急襲。デモ隊に発砲し、少 なくとも5人が死亡した。複数の目撃者が証言した。ダルアーでは、 アサド大統領に対する抗議デモが長期に及んでいる。

米政府当局者が明らかにしたところによると、オバマ政権は、反 体制派への武力鎮圧を強めるシリアのアサド大統領に責任を取らせる 選択肢を検討しており、制裁を実施する可能性がある。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、シリア情勢が 不透明感を増しており、さらに日本の自動車メーカーの格付け見通し が下方修正されるなど、リスク回避の動きにつながる材料が目立つと 説明。株安も相まって、全般的にクロス・円(ドル以外の通貨と円の 取引)が重い(円は上昇)として、「どうしても円高に向かいやすい」 とみている。

前日には、スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシ ズ(S&P)が、「東日本大震災後の部品不足による減産が長期化し、 2012年3月期の業績が悪化する可能性が高まっている」として、トヨ タ自動車、日産自動車、ホンダの自動車3社と、デンソー、トヨタ自 動織機、アイシン精機の部品メーカー3社の長期格付けアウトルック を安定的からネガティブに変更している。

FOMC見極め

米国ではこの日から2日間の日程で開かれるFOMCを控えてい る。今回の会合からは声明発表後にバーナンキ連邦準備制度理事会(F RB)議長が定例会見を行う。

上田ハーローの山内氏は、世界経済が不透明な中で、「バーナンキ 議長は緩和的な政策を維持するような発言をするのではないか」と予 想。そうなると、「ドル売りの圧力が出てくる」可能性があると見込ん でいる。

6月末には米量的緩和第2弾(QE2)が期限を迎えるが、その 後の動向に注目が集まる中、一部当局者のインフレ圧力警戒などのタ カ派的な意見を受けて、市場では早期の緩和策脱却が期待される局面 もあった。

引き続き米国の住宅と雇用の情勢を慎重に見極めながらの政策変 更が見込まれているが、前日に発表された3月の新築住宅販売は、過 去最低だった前月から増加。ただ、新築住宅の中間価格は前年比で

4.9%下落した。

この日の米国時間には、2月のS&P/ケース・シラー住宅価格 指数や民間調査機関のコンファレンス・ボードがまとめた4月の消費 者信頼感指数が発表される。

一方、日本銀行の白川方明総裁は25日夜、NHKの「クローズア ップ現代」に出演し、東日本大震災の復興に関連し、日銀が既に実施 している「成長基盤強化を支援するための資金供給」を見直すことも 「検討の余地があるのかもしれない」と述べた。

日銀は今週28日に金融政策決定会合を開く。今月7日の前回会合 では、期間1年、0.1%の低金利で1兆円を上限に「被災地金融機関を 支援するための資金供給オペ」を検討すると表明しており、今回の会 合では詳細を決定する。

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