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日本生命:新規1兆円で国内債、新興国株を増加-東電株減損処理も

日本生命保険は2011年度の資産運 用で、1兆円を見込む新規資金について7-8割を、安定的な金利収入 が得られる国内債券に振り向ける方針だ。為替リスクをヘッジしないオ ープン外国債券も円高局面で買い入れ、残高を積み増す見込み。急落し た東京電力株式は評価損計上を検討する。

財務企画部の松永陽介部長は、国内債の運用は超長期債に傾斜する が、「デュレーション(平均残存年限)の長期化ありきというより、負 債コストをみながら一定の順ザヤの確保が前提」と述べた。会計基準変 更などをにらみ生保各社が長期化に動く中、日生では金利低下局面で個 購入を見合わせ、タイミングを図る可能性もあるという。

国内金利については、東日本大震災の影響で景気の先行き不透明感 が強いため当面、長期金利上昇は抑制されると予想。ただ、震災復興が 本格化する年度後半には財政問題が意識され、上昇圧力となって「(10 年債で)1.3%付近のレンジ相場になるのではないか」とみている。10 年度は国内債券を1兆1600億円積み増した。

外国債券は為替水準やヘッジコストを勘案。オープン外債は1ドル =80円突破したり、75円に近づく場面では買いを積極化する。また、 中期的に国内金利上昇リスクに備えるため、「海外クレジットものなど への分散投資もさらに進めていきたい」という。10年度はヘッジ付き外 債を9000億円、オープン外債を3900億円増やした。

株式は財務力を考慮しながら引き続き投資する。国内株式について 松永部長は、「中長期的な含みや配当収入という意味でも昨今の国内金 利と比べて悪くない」と指摘した。一方、外国株式は「成長性の高い新 興国を中心に若干積み増していきたい」という。10年度は国内株式の残 高を100億円増やし、外国株式を100億円減らした。

同社は株価評価に月中平均を採用するが、震災後に急落した保有東 電株は、「健全性の観点から月末株価でより保守的に評価損の計上も含 め検討している」という。ただ、現時点で売却する考えはないとしてい る。東電債も「マーケットの状況には細心の注意を払うが、バタバタ動 くことは考えていない」と述べた。

一般貸付残高は、数百億円の微増となる見込み。東電から追加融資 要請があれば、「生保の資産運用として社会性や公共性、震災復興や電 力産業を支える視点」などからの判断に加え、国の支援も勘案しながら 検討する構えだ。10年度は生保各社が残高を減らす中、300億円増やし た。不動産の残高は微増を計画。昨年度は400億円増だった。

3月末の日本生命の一般勘定資産は約47兆円。国内債券が20兆 1300億円(全体の43%)、ヘッジ付き外債が4兆8800億円(10%)、貸 付金が7兆8100億円(17%)、国内株6兆600億円(13%)、オープン 外債は2兆3900億円(5%)、外国株が9500億円(2%)、不動産が1 兆7500億円(4%)などとなっている。

日本生命の2011年度の予想水準
(カッコ内は年度の中心値)
10年国債     :1.3%     (1.0-1.5%)
日経平均株価 :11000円   (9500-12000円)
米国10年債   :3.5%     (3.0-4.0%)
NYダウ     :12000ドル (10000-13000ドル)
ドル/円     :85円      (75-95円)
ユーロ/円   :115円     (105-125円)

--取材協力:野沢茂樹 Editor: Kazu Hirano Takeshi Awaji

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