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ドル対ユーロで1年4カ月ぶりの1.46ドル台-世界株高でリスク選好

東京外国為替市場では、午後の取 引でドルが一段安の展開となり、対ユーロでは1ユーロ=1.46ドル台 と、約1年4カ月ぶりの安値に沈んだ。世界的に株価が堅調に推移して いることから、リスク資産からの逃避的なドル買いが後退する格好とな った。

ユーロ・ドル相場は午後に一時1.4621ドルと、2009年12月15 日以来の水準にドルが下落。午後3時56分現在は1.4609ドル近辺で 取引されている。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所 (ICE)のドル指数は一時73.873と、2008年8月以来の低水準と なった。

一方、ドル・円相場は一時1ドル=81円87銭と、3月29日以来 のドル安値を付けた。午後3時56分現在は81円97銭付近で推移して いる。

岡三証券外国証券部シニアマネージャー、相馬勉氏は、米国の金融 政策に関しては、量的緩和第2弾(QE2)が終了した後すぐに利上げ サイクルに入っていくかというと疑問符が付くと指摘。金利が抑制され るとの見通しが残る中で、「ドルのキャリートレード(低金利の通貨で 調達した資金を高金利通貨などに投資する取引)は継続」すると説明し ている。

この日のアジア市場では、午後の取引で日経平均株価の上げ幅が一 時100円を超える場面も見られたほか、上海総合指数を中心に株価指 数がほぼ全面高の展開となっている。

前日の米株式相場はインテルやヤフーの1-3月期の売上高が市場 予想を上回ったことを受けて、上昇。ダウ工業株30種平均は終値ベー スで08年6月以来の高値となった。株価の予想変動率の指標であるシ カゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指 数)は07年7月以来の水準に低下している。

また、欧州株式市場でも域内企業の好決算を背景にストックス欧州 600指数が3月以来の上昇率となるなど、前日の海外市場では世界的に 株高の展開が広がっていた。

豪物価指数が加速

オーストラリア統計局がこの日発表した1-3月の生産者物価指数 (PPI)は前期比1.2%上昇と、前期の同0.1%から伸びが加速。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の同1.0%上昇(中央値) も上回った。

豪ドルは米ドルに対して1豪ドル=1.0775ドルと、1983年の変 動相場制度移行以来の最高値を更新。対円では1豪ドル=88円57銭 と、今月12日以来の高値を付けている。

IGマーケッツ証券の石川順一為替担当アナリストは、為替市場は 株式市場との相関性が再度高まっており、リスクテークを意識せざるを 得ない状況下で、金利先高観の強いユーロや高金利通貨である豪ドルに 資金が流れやすいと指摘。ただ、イースター(復活祭)休暇前というこ とで利益確定の動きも出やすいとして、ドルは下落幅が大きかった分、 「買い戻されてもおかしくない状況」だとも説明している。

一方、前日の欧州債市場ではギリシャを中心に高債務国の国債が売 られ、ギリシャの2年債と10年債の利回りはユーロ導入後の最高水準 を更新。独政府の経済諮問委員会(5賢人委員会)のメンバー、ラル ス・フェルト氏がギリシャには恐らく債務再編が必要になるとの見解を 示したことが背景となった。

ただ、ギリシャの債務再編懸念がくすぶる中で、スペイン政府が 20日に実施した国債入札では、需要の好調が示されたことで、市場で は債務懸念が和らぐ格好となった。

円は人民元に連れ高

また、この日は円が主要16通貨に対してほぼ全面高の展開となっ た面もあった。

岡三証の相馬氏は、海外では利上げサイクルに入っている国が多い 中、向こう数年は日本の政策変更は見込みにくい状況で、「円が買われ るわけはない」と指摘。ただ、足元では中国がドル安の流れを受け止め て、ある程度は人民元高を容認する方向だと思われるとして、「全般的 なアジア通貨高につながり、円も引っ張られた」と説明している。

中国紙の第一財経日報が中国人民銀行の当局者である王毅氏の発言 として、インフレ圧力が存在する場合には、預金準備率を引き上げるよ りも強い人民元を維持すべきだと報じた。

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