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債券上昇、投資家から期初の現物買い続く-20年債入札は波乱なく通過

債券相場は上昇。長期金利は前日 に付けた約3週間ぶり低水準で推移した。来週末からの大型連休が接 近するタイミングにあたり、投資家からの新年度入りに伴う現物債買 いが続いたもよう。20年利付国債の入札結果が予想通りとなり、波乱 なく通過すると、先物市場には売り持ち高を解消する動きも見られた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、連休前の残高積み増しを狙った動きを背景にしっかりの展開 だったと指摘。「20年債入札を控えるほか、米国株上昇もあって、先 物売りから入った向きが、午後にはさすがに買い戻しを余儀なくされ た」とも話した。

東京先物市場の中心限月の6月物は前日比16銭安い139円38銭 で開始。直後にきょうの安値となる139円36銭を付けたが、すぐに買 いが入って139円50銭を挟む水準まで持ち直した。20年債入札結果 が無難となるとじり高に推移して、午後遅くには139円60銭まで上昇。 結局は4銭高の139円58銭で取引を終えた。

前日の米国市場が株高・債券安となった流れを引き継いで、株式 市場で日経平均株価が1%を超える上げ幅を記録する中、朝方には債 券先物に売り圧力が強まる展開となった。

20日の米国株市場ではインテルなどの好決算が買い材料となり、 ダウ工業株30種平均が終値ベースで2008年6月以来の高値を更新す るなど主要な株価指数が上昇。米国債市場で米10年債利回りは4ベー シスポイント(bp)高の3.41%付近で引けた。

財政拡大懸念やや緩和

ただ、先物6月物は開始直後にきょうの安値を付けたが、現物市 場の好需給を背景にその後は持ち直した。与謝野馨経済財政相が復興 財源として消費税増税などでの対応に意欲を示したことも相場の下支 え要因とされた。JPモルガン証券の黒田真琴債券ストラテジストは、 「海外では株高のわりに金利上昇の勢いは鈍く、国内債市場も財政支 出拡大への懸念が弱まったこともあって売りは続かなかった」と言う。

与謝野経済財政相は20日のブルームバーグとのインタビューで、 今年度第2次補正予算案以降で手当てする東日本大震災の復旧・復興 対策費は当面、国債発行によって賄うものの、その償還財源を確保す るため税制面での裏付けが必要との認識を明らかにした。

20年債入札は無難な結果

20年債入札では無難な結果が示された。みずほインベスターズ証 券の落合昂二チーフマーケットエコノミストは、利回りが2.0%台前 半まで低下したことへの警戒感はあったが、震災の余波で4月初めに 買い遅れた向きの需要があったと指摘。「大手生保による今期の運用計 画で国内債券を積み増す姿勢が確認できたことも支えになった」とも 言う。

20年物の126回債(4月発行)の入札結果によると、最低落札価 格が99円50銭、平均落札価格は99円60銭となった。最低価格はブ ルームバーグが調査した市場予想と同じ水準に決まり、最低と平均価 格の差であるテールは前回債の22銭から10銭に縮小。応札倍率は

4.13倍から2.92倍に低下した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、きのうまで金利低下が進んだ 反動を警戒していたが、入札自体は無事にこなすことができたと言い、 「ここから2.0%割れの水準を買い進むのはきつそうだが、押し目で は相応に需要がある様子がうかがえた」との見方を示した。

10年債利回りは1.225%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の313回債利回り は、20日終値より0.5bp高い1.235%で開始。その後しばらくは1.23 -1.235%での小動きが続いた。午後1時過ぎに1.24%を付けた後は 買いが優勢となって、3時前からは0.5bp低い1.225%での推移だ。

313回債利回りは20日午後には1.225%まで低下して、新発10 年債として約3週間ぶりの低い水準を付けた。震災からの復興対策に 伴う過度の国債増発懸念が後退したことを受け、前週以降に投資家の 買いが膨らんだ流れを引き継いでいる。

この日は日米株高があっても売り圧力は強まっておらず、JPモ ルガン証の黒田氏は、財政面の懸念が和らいだことをきっかけに投資 家の期初買いが入っていると言い、「短期的には大型連休を前にキャリ ー(金利収入)確保を狙った買いに支えられる展開」とも話した。

ただ、現物市場では受け渡し日が大型連休中にずれ込む26日以降 に需要が細るとの見方もある。みずほインベスターズ証の落合氏は、 足元の市場は好需給に支えられているが、来週に入れば買いが一巡す る可能性も高いと指摘。「26、27日の米連邦公開市場委員会(FOM C)を見極めようとする雰囲気が広がることも考えられ、その場合に は金利低下余地が限定されるのではないか」とも言う。

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